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グローバルユニオン

2010年01〜03月 第38号
■分析
 
分析:定期航空便数を減らす

航空業界は苦戦でも、強い労組は労働者を守れる

昨年来、航空労働者にとって、悪いニュースが相次いだ。英国の保険会社、インターナショナル・パッセンジャー・プロテクションによると、2009年に、少なくとも32の航空会社が倒産し、2008年は50社が経営難に陥った。何とか持ちこたえている会社も大幅な赤字を出し、雇用を脅かしている。
ほぼ世界中で航空会社は経済・金融不安に直面し、苦戦している。受けた影響の度合いは地域によってばらつきがあり、いくつかは他よりも悪影響を強く受けている。相変わらず、経済環境を口実に、適正な労働基準や労働者の権利をやり玉に挙げる航空会社もあれば、金融危機を隠れ蓑に、航空労組が数10年をかけて勝ち取ってきた手当を後退させる会社もある。しかし、国際連帯と協調的行動の真価が証明された2009年の数々の勝利に、労組は勇気づけられている。
昨夏、4大陸(欧州、アフリカ、米国、アジア)で航空労働者が攻撃された。ポーランドのLOT航空とケニア航空の労働者、国際航空貨物のアメリジェット(米国、南フロリダ)のパイロット/航空機関士、インドのジェットエアウェイズ航空のパイロットは全て、会社が組合に対して、敵対的態度を取るのを目にした。
しかし、労働者と組合の不屈の精神と勇気が、ITF加盟組織の国際的連帯と相まって、すべてのケースで組合側が勝利を収めた、厳しい状況であったにも関わらず。(航空労組の勝利を参照)
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連帯を超えて

国際連帯は非常に効果的な手段となりうるが、それだけでは航空業界のより大きな問題に対処するには不十分だ。
国際労働機関(ILO)の調査は、経済危機が景気の循環的下降のみでは説明しきれないとし、より永続的な航空業界の再編を示唆している。航空会社は、格安航空会社モデルに魅力を感じている。これは一見、低コスト経営手法に見えるが、労働者には高い代償を強いている。
このモデルの下で、労働者はしばしば苦しんでいるが、そもそも苦しむ必要はないのだ。たとえば、米国のサウスウェスト航空は、組合を承認し、良好な労使関係を維持していても低コスト経営で利益を上げている。ITF加盟組織は、すでに低コスト経営の航空会社で働く多くの労働者を代表し、この部門における労働者の賃金・雇用条件改善を決意している。
航空業界の労働者の健康と安全は、地上・搭乗勤務を問わず、ますます脅かされている。なぜなら職員は、ターンアラウンドタイム(空港停留時間)を短縮しなければならないというプレッシャーに常にさらされる結果、航空労働者の全職種において、疲労やストレスを悪化させている。
航空労組は、かかる危機とそれによってもたらされる新たな課題に取り組むため、2009年11月にロンドンで会議を開催した。ITFの民間航空部会は、対応策をまとめ、解決策を検討するため、当事者全員と協力する意向だ。優先事項は、短期的には雇用の確保である。加えて、昨今は不安定視される航空業界において、持続可能な成長、安定性、公正な基準を促進することである。
ITFは、業界主要プレーヤー(政府、使用者、国際民間航空機関(ICAO)、国際航空運送協会(IATA)、ILOなどの国際機関)が、労組と真剣に協議するよう緊急要請を行った。同時に、航空労組は、強い労組や良好な国際連帯といったこれまでの成果を誇りに思うべきだ。共同戦略を打ち立てることによって、労働者は危機を乗り越えられる。たとえ行く道は険しくとも。
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航空労組の勝利

ポーランド:LOT航空
連帯行動の結果、2人のポーランド労働者復職

ポーランド客室乗務員労組のエルウイラ・ニーミック委員長とLOTポーランド航空従業員組合のグレゴーズ・コソウスキ委員長は、2009年7月に解雇された。既存の労働協約の代わりに新しい労働協約を押し付けようとする計画が発表された後、労働者も会社と争議状態にあった。
ITFとETF(欧州交通運輸労連)は、LOTの組合員を支持するキャンペーンを開始した。支援活動には、LOTのCEOであるセバスチャン・ミコスとの面談や、組合幹部の復職と労働協約を変更する場合に、組合との協議を求める会社への抗議文も含まれていた。また、ITFとETFの加盟組織はワルシャワ本社前でデモを行った。
2009年10月、組合とILO社は、両委員長の復職を盛り込んだ協定に合意した。

ケニア:ケニア航空
2日間のスト決行後、賃上げと労働条件の改善を獲得

ITF加盟組織のケニアの航空労組(AAWU)は、2009年8月、2日間のスト実施を呼び掛けた。このストは、満足できる賃金と手当の増額を会社が拒否し、交渉が4カ月間行き詰まった結果、決行された。最低賃金労働者の中には、生活の維持にも事欠く者がいる一方、経営者は、自らの給料を上げ、他の高給社員にも、多額の昇給を認めている。
ケニア空港局(KAA)とケニア民間航空局(KCAA)の労働者は、労組を支持してストに参加した。
ITFは、他の労組や同国のナショナルセンターであるケニア中央労働組織(COTUK)の協力を得て、国際連帯行動を調整した。オランダの客室乗務員組合(VVNC)は、KLMオランダ航空に圧力をかけ、スト決行中、ケニア航空のために代替便を出させないようにした。国際的な注目が集まったことが奏功し、スト続行中の違法集会の罪で投獄された6人の労組リーダーが、直ちに釈放された。
現在、ケニア航空のスタッフは、20%の賃上げを含む、よりよい条件を提示した協定を持っている。

米国:アメリジェット
国際貨物航空会社のアメリジェットで、航空労働者が2週間のスト後、勝利を獲得

国際貨物航空会社のアメリジェットのパイロットと航空機関士が、2009年8月にストを決行した。労働者の要求は、低賃金と労働条件低下の解消であった。従業員は、少ない睡眠時間で長時間勤務を強いられ、病気欠勤すると罰を受けたと主張した。また、作業環境は不衛生だった、と述べた。先に行われた新しい労働協約についての交渉は決裂していた。
ITFは、加盟組織に、アメリジェットの労働者に連帯を示し、UPS、アトラス航空、カリンタ航空のパイロットの業界横断的な支援を強化するよう求めた。スト突入の2週間後、ITF加盟組織のチームスターに代表される労働者達は、経営者と合意に達し、待遇改善が盛り込まれた4年間有効な新労働協約を締結することができた。

インド:ジェットエアウェイズ
連帯がインド人パイロットの雇用を救う

2009年7月、ジェットエアウェイズは、ITF加盟組織の航空産業従業員組合(AIEG)と連携する労組(NAG)設立に関与したとして、4人のパイロットを解雇した。
この会社の反労組的な行動に抗議するため、労働者は5日間のストを実施した。ITFのデビット・コックロフト書記長は、ジェットエアウェイズのCEOに書簡を送り、同解雇処分は違法である旨を伝える一方、加盟組織に連帯行動への動員を要請した。
その結果、組合と経営者は、2009年9月に合意に達した。合意内容には、解雇などパイロットに対して取られた処分を全て撤回すること、パイロットの問題を解決するため、社長と2人の執行役員、5人のパイロットから構成される協議機関を設置することなどが盛り込まれた。
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INDEX
ごあいさつ
トランスポート・インターナショナルは、国際運輸労連の機関紙です。
最前線
キャンペーン最新情報:
2009年世界エイズデー(PDF)
分析:
経済危機、産業界の視点から
分析:
航空業界は苦戦でも、強い労組は労働者を守れる
労働者の権利を尊重する
ITFがDHL労働者を尊重するよう要求
都市交通運輸での組織化
ヨハネスブルグの新交通輸送システムは、労組に吉報
漁船員が決起
アフリカ労組が欧州船主に賃金改善を要求
組合の運動で港湾労働者の安全が改善
コンテナ船のラッシングに関する安全基準を適用
対外的イメージ
電波を通じてイメージをよくする
ITFサマースクール
労組の連帯強化
参考書籍
労組活動に役立つ出版物や報告書の紹介
紹介
レバノンの客室乗務員
 
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