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No.26/2012 |
■ITF船員憲章 |
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船員憲章
ITFと組合があなたに誓う
2010年に採択された船員憲章ポリシーは、ITF加盟組合がITF協約下の船員に対する義務を公式に表明したことを意味する。本ポリシーが施行されたことで船員にどのような利益があるのか、アナ・ルウェリンが概説する。
ITF協約が適用される船舶は、世界中に何千隻もある。ITF協約とは、使用者とITF加盟組合の間で結ばれた船内の最低雇用基準を定める法的拘束力のある協約である。
ITF協約を締結することで、組合と使用者は、当該の船舶で雇用されている船員に対し、最低水準の賃金やその他の労働条件を保障する義務を負う。 |
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船員に対する組合の誓い
2010年に、ITF加盟労組は船員憲章ポリシーを採択した。これにより、加盟組合はITF協約が適用される船舶の乗組員に対し、一定の責務を負うことになった。
自国の組合に加盟していない船員もいるが、そのような場合でもITF協約の下で組合の保護を受けることができる。
新しいポリシーでは、便宜置籍船(FOC)と協約を結んでいるITF加盟組合が、協約の適用を受ける船員に対して、一定の便益と支援を提供することになる。 |
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組合の責務
組合員証:組合は船員に対し、適切な形態の組合員証を発行する。あなたが自身を組合員であると証明すること、また組合があなたを識別し、最適な連絡方法を把握することは重要である。
組合の刊行物:組合はあなたに対し、ニュースレター、定期刊行物や機関誌を発行し、組合の活動内容や進展を報告する。
連絡先名簿:また組合はあなたに対し、連絡先名簿ないし組合員証や機関誌等に記載するかたちで、組合役員の連絡先を提供する。
苦情申請の支援:苦情の申請に際して、組合はあなたを支援する。未払い賃金や乗船中のけがなど、どのような問題であれ、協約に基づき苦情を申請する場合、組合はあなたを支援する。これは組合が組合員に提供できる最も重要なことの1つであり、また組合員になる最大のメリットの1つでもある。
参加する権利:組合は、組合員である船員すべてに対して組合の問題に参加する機会を与えなければならない。参加に当たっては組合員資格の特別な性質を反映し、参加レベルは状況によるものとする。
訪船:可能な場合、組合は船舶に代表者を送り、乗組員の状況を視察する。船舶の貿易パターンや組合の所在地によっては難しいケースもあるが、そのような場合は、世界中にいるが組合の代理として訪船することができる。
責任の分担:組合は船主の居住国にあることが多いが、船員の多くは出身国の組合に加盟している。現在、これらの組合間で協定が結ばれており、それによってITF協約の適用を受ける船員を代表する責任を分担している。この関係は、当該組合間の二者間協定ガイドラインに従っている。
関連する組合は、上記の義務について、どの組合が責任を負うのか協議する。それらは当該組合間の協定に記載され、あらゆる変更についてITFに通知するものとする。
もし組合が何らかの理由で船員を支援できない場合、ITFは当該組合と連携し、インスペクターのネットワークを通じて支援を提供することができる。
当憲章は2012年1月1日から施行されるが、各組合は基準を完全に満たすための猶予を2014年1月1日まで与えられる。 |
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