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2005年10〜12月 第21号
■尼崎脱線事故の教訓
 
尼崎脱線事故の教訓

和田茂

2005年4月25日に日本の尼崎で発生した鉄道事故は、毎日数千万人が利用している鉄道への乗客の信頼を揺るがすものとなった。JR尼崎事故は、朝の通勤ラッシュ時に発生し、運転士を含む107人の死亡者を出し、負傷者は460人に上った。
事故を起こした列車は、18年前の国鉄民営化の結果、設立されたJR各社のうちの1社、JR西日本が運行していた。この事故は、国鉄民営化以来、最悪の事故となった。
事故の直接の原因は、スピードの出しすぎであった。航空・鉄道事故調査委員会の調査から、事故列車は、制限速度の時速70キロを大幅に上回る時速108キロでカーブを曲がろうとしていたことが分かった。その後、脱線し、マンション棟に激突した。レールに残された痕跡から、運転士はカーブの直前で緊急ブレーキを作動させたことが分かった。列車がなぜこれほど高速でカーブに突入したかについて、調査委員会はまだ結論を出していない。しかし、広く言われている推測では、経験11ヶ月の23歳の運転士は、前の駅で40メートルのオーバーランをしたために生じた90秒の遅れを取り戻そうとしていた。
多くの鉄道専門家は、会社が新型の自動列車停止装置(ATS)やガードレールを設置していなかったことを間接的な原因として挙げている。日本では、都市部の鉄道のほとんどに、列車が制限速度以上を出した場合に自動的に減速させるATSが設置されている。利用率の高い路線では、ATSよりも進んだ自動列車制御装置(ATC)を導入しているところもある。
JR西日本も、当該路線にATSを導入する必要性を認識しており、その導入を目前にしてこの事故が発生した。この線区ではラッシュ時には、4〜5分おきの運行となっている。運行本数および運行速度は、ほぼ平行して走る私鉄と競争するため、鉄道の民営化以来、増やされてきた。このような増加前に必要な安全対策を怠った点で会社は、安全よりも利益を優先させたと非難されても仕方がない。
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疑問視される懲罰的な措置

事故との関連で、JR西日本がミスをした運転士を対象に実施しているいわゆる「再教育」の内容も問題視されている。日勤教育と呼ばれるこの再教育の内容は、事故防止目的よりは、懲罰的と言われている。死亡した運転士は、以前にも別の路線でオーバーランをして乗務をはずされ、13日間の日勤教育を受けていた。事故の直前に前の駅で再びオーバーランをしてしまった時、運転士は日勤教育のことを思い出し、遅れを取り戻そうと必死になったのかもしれない。
JR連合が事故発生後に行った調査では、JR西日本に勤務する組合員のうち3人に1人(3,025人中1,101人)がこの3年間に日勤教育を1度は経験したことがあることが分かった。調査対象の運転士の9割が、運転ミスがあった場合の再教育・訓練は必要であるとしつつも、75パーセントが現在の再教育プログラムを改善する必要があると感じている。
日勤教育経験者の4割が、管理者から罵声を浴びせられたり、事務所の中に特別に割り当てられた机に座らされ、単調な課題を与えられるなどして、見せしめ的扱いを受けるなど、不適切な処遇を受けたと述べている。
JR西日本の従業員を組織する4労組、つまり、ITFに加盟するJR連合、JR総連、国労、ITF非加盟の建交労は、4月27日に事故に関する共同声明を発表した。声明の中で、4労組はATS導入と犠牲者への適切な補償を訴えた。JR各社には依然として複数の組合が存在するが、この声明は、全組合が一致して出したものである。組合側の要請により、会社との臨時労使安全会議が数回行われている。
会議の中で組合は、安全に関する様々な問題を取り上げ、具体的な改善を実現しつつある。鉄道システムにとって安全は最重要課題であり、組合員と乗客のために安全を確保する責任を労働組合は、自覚している。
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和田茂はアジア太平洋地域事務所(ITF東京事務所)の部長。
 
 
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