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グローバルユニオン

No.20/2006
■ミッション・ツー・シーフェアラーズ
 
組合の存在しない国での船員支援

ドバイのミッション・ツー・シーフェアラーズのステファン・ミラー牧師がアラブ首長国連邦(UAE)東海岸沖の船員の支援活動について語る

日々の活動は?

毎朝、7時半頃事務所に着き、留守番電話やEメールのチェックや、その他の日常業務を済ませる。9時までに船員から支援要請の電話がなければ、しばらく訪ねていない港に出かける。アラブ首長国連邦(UAE)には14の港があるが、私はその全てを担当している。何ヶ月も賃金を受け取っていないとか、個人的な理由で帰国を望んでいるにもかかわらず、船社が聞く耳をもってくれないといった問題を処理することが多い。先週は、船長に暴行されたというカデット(練習生)に会いに行った。
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組合やITFインスペクターがいないことの影響は?

UAEでは労働組合が禁じられているので、ITFインスペクターも存在しない。だから、船員が何らかの問題に直面した時に、最初にコンタクトを取る相手が私となる。14も港があるのだから、当然、多くの問題の処理を迫られる。本国送還に関するトラブルから、賃金未払い、乗船中の死亡事故まで、さまざまな問題に遭遇する。この地域を航海する貧しい船舶の多くはP&Iにも加入していない。ほとんどの問題は私一人で何とか処理しているが、ITFインスペクターがいてくれたら、確かに心強いだろう。もっとも、現在の状況ではその可能性はほとんどないが。
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東海岸の港に来る船員の状況は?

東海岸は世界で2番目に大きな沖合係留地帯で、常に100〜150隻が係留している。陸から最大13マイルも離れたところにいるため、船員に上陸休暇を与えるのはコストがかかる。さらに不幸なのは、何ヵ月も賃金を受け取っていない船員がいることだ。
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最近の支援活動の例は?

2006年1月、バーレーン沖で1年近くも遺棄されていた船員4人を救出し、母国、フィリピンに帰国させることができた。4人は船主と用船主の紛争が解決するまで、船内に残り、船を見張っていなければならなかった。残念ながら、船の状態は廃材としての価値もないほどに老朽化していたため、4人は賠償金も未払い賃金も回収することはできなかったが、ドバイのミッション・ツー・シーフェアラーズとバーレーン・インターナショナル・シーフェアラーズからそれぞれ350ドルと500ドルをもらった。われわれ、ドバイのミッション・ツー・シーフェアラーズはフィリピンの家族にも150ドルを送った。もちろんこれらは、彼らが本来受け取るべき金額に比べたらほんのわずかな金額に過ぎないのだが。
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現在、問題に直面している船員は?

いる。ドバイ沖でタグボートのインド人船員4人が遺棄されているほか、小型タンカーの乗組員12人(シリア人、パキスタン人、バングラデシュ人など)がシャルジャ近くで遺棄されている。全員が数ヵ月間、賃金未払い状態で、慈善団体の世話になりながら生き延びている。
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賃金未払いと訴訟関係が主な問題か?

そんなことはない。船員福利というわれわれの使命は、実務的な支援だけでなく、精神的な支援をも意味する。船員が抱えている大きな問題の一つに、長い航海に伴う孤独感がある。われわれ、ドバイのミッション・ツー・シーフェアラーズが非常に心配しているのが、上陸許可を与えられずに沖に留まっている何千人もの船員たちのことだ。繰り返すが、最大150隻もの船舶が常に係留している状況だ。これはつまり、約2千人もの船員が家族や友人と連絡を取る機会を奪われていることを意味する。
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これらの船員を助けるには?

「エンジェル・アピール」という大規模な事業をちょうど立ち上げたところだ。2006年末までに100万ドルを集めて、特別な船を造るのだ。この船の名前はエンジェル。毎週、沖合係留している船に出向き、船員を乗船させ、休息してもらうのだ。1回の運航時間は72時間。インターネットカフェやその他の通信機器、DVDや書籍を備えた図書室、訓練された救急医のいる診療所が整備されているほか、礼拝やカウンセリングも受けられる。
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エンジェル号の就航はいつ?

この事業への反応は非常によく、寄付金もたくさん集まっている。2月に発注し、通常、建造に8〜10ヵ月かかるので、2006年末には就航できるだろう。ミッション・ツー・シーフェアラーズ150周年の最後を飾るすばらしい事業となるだろう。
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ミッション・ツー・シーフェアラーズは300以上の港で、人種や宗教に関係のない船員支援活動を展開している。詳しくはwww.missiontoseafarers.org
 
 
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