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グローバルユニオン

No.17/2003
2002年11月中旬にスペイン西北部沿岸で沈没したバハマ船籍のタンカー、プレスティージ号から積荷の石油約77000トンの大部分が海上に流出した事故は、史上最大の海洋汚染災害の一つとなった。登録上の船舶所有者は、シェル石油のリベリアの系列企業であった。スペイン大西洋沿岸や600海里も離れたフランス沿岸に石油が漂着し、スペイン、ガリシア地方の魚類やえび・かに類の水産業は、操業停止に追い込まれた。この海洋汚染の回復に要したコストは、数十億米ドルに達すると推計されている。
「我々の文化が、テレビの題材としては最適の、汚染に苦しめられる海鳥と同じように船員の命をも尊重する時代がくれば、続発する環境災害や人命の無駄な犠牲に終止符を打つことが可能となるであろう」
失われたのは威信(プレスティージ)だけではない
ITF書記長 デビッド・コックロフト


海運産業はまたもや2002年末のニュースとなり、欧州人の目はスペイン北西部のガリシア地方の汚染された海岸に向けられていた。この関心はいつまで続くのだろうか?また、タンカー以外の船舶に関連して発生し続ける人命の犠牲について、このような関心が向けられることがあるのだろうか?
複殻船体とか単殻船体とかの問題ではない。難破船に避難所を提供する問題でもない。プレスティージ号は、遥かに重大な災害の実例である。プレスティージ号は、大規模な修理を受けた老朽船であり、あの季節にあの海域に入るべきではなかったのである。コスト削減を重視し、責任体制よりも商業上の秘密を重視するシステムが、あの船をあの海域に送り込んだのである。
海運産業は、世界で最初にグローバル化された産業である。生活必需品や暮らしを充実させるために、人々は海運産業に大きく依存している。しかしながら、その海運産業の特徴は、秘密主義と欺瞞の文化なのだ。このような文化が、他人の迷惑を顧みない企業の競争力を高く評価し、乗組員の生命を尊重する船主や、ガリシア地方などの環境に損害を与えている。
海運業界の秘密主義とは、法律上危険とされる船舶が沈没した場合に、各船を一隻づつ所有する個別企業の表札の背後に、船舶所有者が隠れることを可能とする制度である。そして船主は、(勿論、保険金を受け取ったのちに)破産を宣言する。あとに残された乗組員やその家族は、補償金の請求先もなく放置されることも少なくない。そのあげくに、船主は、その他の所有船舶を運航して経営を続けるのである。
海難と船籍国の間には、直接的な関連が見られる。便宜置籍国(FOC)は、最悪の記録を残している。これらの諸国は、外国の船舶運航会社に、その国名を使用する権利を販売している。これによって、関係船舶は、便宜置籍国の主権のもとに置かれる。すなわち船籍国は、自国の船舶および乗組員の安全について、法律上責任を負っているのである。しかし、この責任を重視し、実行している船籍国が、責任を無視する諸国との競争において大きな不利益を蒙っているのが現実である。
2001年度において、155隻の船舶が失われた。死亡者の公式数字は、306人であるが、多くの海上における死者の大多数は恐らく報告されないため、実際に何人の船員が死亡したかを知るのは困難である。英国カーディフ大学の船員国際調査センターの1997年における推定によれば、毎年1,393人から2,354人が海上で死亡しているとされている。
皮肉にも、このような不正行為を防止するための制度は存在しているのだ。問題は、規制がないことではなく、規則の尊重が欠落していることである。

プレスティージ号の海難事故にともない、ITFは環境保護圧力団体のグリーンピースや世界自然保護基金(WWF)と協力して、国連のコフィ・アナン事務総長に請願活動を行い、国際海事機関(IMO)の160加盟国による関連規則の遵守を確保するための措置を講じるよう求めた。
ITFは次のように主張した。「我々が求めているのは、基準以下船の運航とこれを可能とする慣行の廃絶および海運産業の透明性を向上させ、責任の所在を明確化するために必要な措置をとるための、協調行動である。適切な規則を策定し、これを厳格に実施することが特に重要である。汚染の影響を受け易い海洋および沿岸の環境の保護については、とりわけ注意が必要である」
国連は、関係組織との協議のもとに、この問題について国連として真剣に検討をすすめると回答してきた。
この問題についての即効薬はない。プレスティージ号の海難は、環境への悲惨な影響を発生させるとともに、錆びたバケツのような船舶が破損、浸水して、沈没するたびに人命への悲劇が起こっていることを社会に知らしめたのであった。しかし、このような悲劇を予防することは、明らかに可能である。我々の文化が、テレビの題材としては最適の、汚染に苦しむ海鳥と同じように、船員の命をも尊重する時代がくれば、続発する環境災害や人命の無駄な犠牲に終止符を打つことが可能となるであろう。
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ITF書記長
デビット・コックロフト
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