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グローバルユニオン

No.17/2003
■I T F 船員トラスト
 
海 運「海上牧師」を求める声

船員国際調査センターが行なった詳細な調査の結果によれば、船員の80%以上が船内の福祉活動ワーカーと面会する機会を望んでいた。
ITFが後援した2年半にわたるプロジェクトの一環として、10日から 27日間にわたって海上牧師が乗船した。これらの牧師の役割は、通常の日常的接触のほかに、船員の精神的側面に対処し、相談相手となることであった。
このプログラムにボランティアとして参加したのは、海の使徒会、ドイツ船員教会、フィンランド船員教会の専任牧師6人とフィンランド教会の臨時牧師30人であった。
調査対象となった船舶41隻の乗組員との面談によって、海上牧師が歓迎されたことが示された。乗組員の3分の2は、牧師に対して内密の微妙な話はしなかったと答えたが、79%は、乗船牧師の乗組みを望んでいた。大部分の船員は、牧師の国籍や所属宗派は重要ではないと考えていた。
今回の調査の肯定的結果と各船員ミッションの経験にもとづいて、幾つかの船員福祉団体が乗船牧師制度を実践に移すものと思われる。国際キリスト教海事協会(ICMS)は、将来の乗船牧師活動を促進し、コーディネートしていくことについて合意した。1月に開かれたシンポジウムにおいて発表された乗船牧師制度について、参加した海運会社代表は積極的な反応を見せた。彼等の一部は、財政的支援の提供を申し出ていた。
乗組定員の削減と船舶の停泊時間の短縮によって、在来の陸上における船員福祉サービの利用が困難となり、船内での福祉援助の必要性が高まってきている。
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厚生プロジェクトへの援助

ITF船員トラストはITFの慈善活動部門として、海上および港湾における船員の労働生活の質を高めるための各種プロジェクトを対象に、これまでに9百万米ドルを超える拠出を行なってきた。現行プロジェクトは、船員センターを改良するための援助から、船員が故国の家族や友人との連絡を支援するための遠大なプログラムにいたるまで多岐にわたっている。
大きな金額の数字ではあるが、2002年4月から2003年3月までの支出は、その前の12ヶ月間に比較して、約600万米ドルの減少を示している。この原因は、トラストの収入が、世界的な株式市場の不振によって打撃を受けたためである。それ故に、支出計画も削減されている。
2001/2002年度の年次報告書において、年間支出総額の半分以上が、船員厚生施設のインフラが貧弱または全く存在しない状態の発展途上国に割り当てられていることを、船員トラストは発表している。記録的金額の260万米ドルおよび160万米ドルが、それぞれ東部ヨーロッパおよびアフリカに向けて支出された。これらの地域は、歴史的に殆んど援助を受けていない地域である。
2002/03年度において、これまでにない金額の補助が船員厚生組織に対して支出された。補助金給付の主要な対象はこれまでと変らず、長期にわたって世界で活動している国際船員厚生組織、すなわち船員ミッション、海上の使徒、英国国際船員協会、ドイツ船員ミッション、スカンジナビア船員ミッション、ユナイテッド・シーメンズサービス(USS)および各国の船員厚生組織およびその海外支部などである。
大型の船員センターのプロジェクトが、東部ヨーロッパ、インド洋地域、南東アフリカ地域などの地域的船員厚生プログラムの一環として計画されている。
船員トラストは、これまでの方針を変更し、あらゆる国籍の船員の利益に向けて基金を活用することを決めた。二年間かけて業務の見直しを行った結果、国際的プロジェクトへの資金供与を優先するべきであるとの決定を、トラストは行なったのであった。
この方針の変更は、船員交通用車両や船員センターを対象に助成を受けてきた一部諸国または港湾に影響を与えることとなる。しかしながら、これまでトラストの補助金に依存してきた関係組織に、代わりの資金源を確保するための時間的余裕を与えるため、この方針の変更は段階的に導入される。
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国際船員支援ネットワーク

ITF船員トラストが資金を提供している国際船員支援ネットワーク(ISAN)は、マイク・キャンプリング事務局長の監督のもとに運営が始まった。ISANは、電子テクノロジーを利用して、船員からの電話を記録し、支援を提供する船員センターまたは船員厚生組織などの関係団体に伝達する24時間サービスの電話センターである。船員は電話によって、船舶を含む世界のあらゆる場所から、宗教的支援から法律上の権利にいたるまでの、あらゆる支援を求めることが可能となる。このシステムの運営者が雇用しているスタッフは、主要な船員出身国の言語を話すことができるが、必要な場合には、その他の言語についても対応可能である。
●ISANの国際無料電話の番号は:+440080073232737。
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クルーリンクス(船員のきずな)

長い間その実現が望まれていた「クルーリンクス」の実施に関する船主および海運会社の消極的な対応は、極めて遺憾であると船員トラストは述べている。「クルーリンクス」機構は、船員がその家族との相互連絡や、独自に個人的なまたは事務的な連絡を行なうことを可能にするものである。
「クルーリンクス」は、その最初の目標の達成については、大きな成功を収めた。この機構について、潜在的なサービスの提供機関は強い関心を示したほか、世界の電気通信に関心を有する諸国の注目を集めている。世界最大の衛星通信組織であるインマルサットは、クルーリンクス機構の発足のために、専用端末50機を提供している。
クルーリンクスのサービスが可能な限り広範に利用されるよう、現在はマーケティングと交渉に努力が注がれている。船主や海運会社がクルーリンクスの端末を購入またはリースによって確保し、船内にこれらの機器の設置を認めるか否かが、このシステムの成功の鍵となる重要なファクターとなっている。
この機構に参加した船舶では、$20、$50、$100(米ドル)のプリペイドカードが使用される。プリペイドカードは、50ヶ所以上の船員センターに配布されている。現在までに約350隻の船舶が参加しており、将来は、費用効果の高い船舶―陸上間の電話サービスとして広く利用されることが期待されている。Eメールサービスも現在開発中である。
●オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、アイルランド、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、アイスランド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、英国および米国への無料電話の番号は、0080073232737である。(この番号は、電話機ダイヤルの文字盤で、S-E-A-F-A-R-E-Rとダイヤルを操作する)。上記以外の諸国からの番号は、+44 20 73232737 である。
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港湾調査

船員厚生施設が貧弱であるか、または全く存在しない港湾に関する包括的な実現可能性調査の報告書が2003年に出版される。この調査の結果は、船員トラストの資金を必要な地区に供与するための参考資料として利用される。
この調査は、船員の必要性調査を専門とするドイツのオールトゥギャダー社が行なった。同社は、136港湾を、厚生施設が「貧弱あるいは存在しない」港湾と分類し、これらの港湾の大半について現地調査を実施している。船員トラストも、厚生関連施設の欠陥を発見するための自らの努力として、現地訪問や港湾地域自治体や船員厚生組織などとの会談などを行なっている。
オールトゥギャダー社の調査結果の一部は、船員トラストのウェブサイト( www.itf.org.uk)に提示されている。
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2002年7月、ウクライナのベルディヤンスク船員センターの開所式。建物正面、屋根および洗面所の更新工事のために、229,925米ドルの補助金が供与された。開所式は、CIS諸国およびバルト海沿岸諸国の船員厚生施設に関する会議に合わせて行なわれた。

2002年10月、ガーナのアクラで開かれた国際船員福祉委員会(ICSW)の小地域会議のスポンサーとなった船員トラストは、105,000米ドルの補助金を提供した。この会議において、2000年に発足した西アフリカ地域プログラムは、東部ヨーロッパおよび南東アフリカのプログラムの前例に準じて、ITF船員トラスト―ICSWの共同プログラムとして承認された。

船員トラストは、ケニヤ、モンバサの船員ミッションのスポーツ施設およびその他の娯楽設備の改善のために、30,528米ドルを供与した。このプロジェクトは、インド洋南東アフリカ地域プログラムの一環として実施された。
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ITF船員トラスト:地域別支出額2001/2002年度*

  補助金件数 補助金件数 金額(米ドル) 金額(米ドル)
  2001/02 2000/01 2001/02 2000/01
欧州 36 36 4,094,290 4,558,022
中東欧 33 33 2,579,111 1,444,715
中東 2 1 55,092 16,692
北米 24 20 1,031,292 1,559,736
アジア/太平洋 23 35 2,204,627 4,375,847
中南米 2 7 419,593 722,730
アフリカ 25 35 1,618,715 1,335,434
国際組織 14 19 3,008,369 3,336,278
特別援助 3 6 26,037 26,189
合計 162 192 15,037,128 17,375,643

注:支出は、英ポンドで行なわれている。米ドルへの換算率は、1x1.5である。
* 2002/03年度の支出は、約900万米ドルであった。詳細は、2003年度中に発表される。
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屈辱、空腹、詐欺被害
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にせ船員免状は
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最近の調査は、
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上陸休暇?
これが如何に困難な問題となり得るかを学生たちが体験する
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