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グローバルユニオン

No.19/2005
■ニュース
 
インターネット職探しの落とし穴

現在、インターネットを利用して実在しない船員の職を紹介すると約束し、その見返りに前払いで現金を要求するという悪質な手口が横行している。
ITFは最近、こうした詐欺行為がナイジェリア、パナマ、カナダを拠点として展開されており、今後も同様のサイトが次々に登場する可能性があると警告を発した。
仕事を斡旋して金銭を要求することは違法であり、特にインターネット上に掲載されている場合どんなにそのサイトが洗練されていても)、大抵は詐欺と見ていい。実在する仕事を合法的に斡旋しているサイトと非常によく似た名前を使っている場合が多い。
オフショア、クルーズ船、一般貨物船なども含め、あらゆる部門の労働者がこのような詐欺の危険にさらされており、請求される紹介料は、50ドルから500ドルに上るケースもあるという。
サイトと同様、被害者の国籍も広く多数に亘る。被害者に共通するのは、「人間らしい仕事がしたい」という願望をもっているという点だ。
ITFは、数カ国の当局に対して、職業紹介詐欺が横行していることを警告してきたが、悪徳業者は容易に起訴を免れることができる。実際、カナダを拠点にして世界中でオフショアの仕事を斡旋する詐欺サイトがあり、これに対して1999年から苦情が出ているが、この業者はいまだに活動を続けている。
現在ITFとしては、仕事を探している人に、「前金を支払わないように」との警告を発している。金銭を要求することは違法であり、要求された場合はまず疑ってかかったほうがよい。
2004年には、船員職を斡旋して金を騙し取る悪徳業者についてITFが受けた報告は相当数に上った。
クロアチア出身のデッキ・オフィサーの話である。「アフリカ・ナイジェリア」という代理店から、月5,300米ドルでコンテナ船「マリア号」の2級船員の職を斡旋された。条件は、最初の1ヶ月分の給料の10%を代理店に前払いすること。代理店によれば、同コンテナ船は「ハド・マリタイム社」が所有し、中近東−ナイジェリア間を運航していた。
ITFが調査したところ、「マリア号」という船名で登録されているコンテナ船は、真正なドイツの会社が所有するものしか存在せず、運航ルートもアフリカ・ナイジェリア社が説明するルートとは異なっていた。
ハド・マリタイム社については、所有者や経営情報などの詳細は公開されておらず、一般に知られた企業であるかどうかも不明瞭で、結局過去に「マリア号」という船名で中近東を航行したコンテナ船は存在しないことが判明した。
また同代理店が自社のホームページに掲載している船級調査機関(BVQI)の情報(www.agentafrica.xaper.com)も、実際のBVQIの情報と食い違うことがITFの調査で明らかになった。同ホームページに掲載されている品質保証説明も古く、現在は使用されていない内容のものであった。
ITF特別船員部(SSD)のスティーブン・コットン部長は、「ILOの規定によれば、船員は、配乗会社に金を支払う義務を負わない。アフリカ・ナイジェリア社と取引する際は十分注意してもらいたい」と言う。
ITFはパナマ政府に対しても、パナマ市を拠点に営業する「シークルーズ・エンタープライズ社」と「カレドニアン・オフショア社」の2社を調査するよう申し入れている。報告によれば、両社は世界中で実在しない仕事を斡旋すると偽っては、就職希望者から金銭を騙し取っているという。
ITFのデビッド・コックロフト書記長は、パナマの法務大臣アーヌルフォ・エスカロナ・アビラに宛てた手紙の中で、「このような悪質な詐欺が何年も横行し、被害者はフィリピン、グアテマラ、ウルグアイ、ジャマイカ、ガイアナ、ウガンダなど多国に広がっている。正確な被害者の数は不明だが、少なくとも数万人に上ることは間違いない。ITFは、パナマ警察の捜査により、この寄生虫のような悪事に終止符が打たれることを確信している」と述べた。
この手紙には、海事雑誌「フェアプレイ」が取材した事例の詳細な情報も同封された。ITFが詐欺と断定したcaledonianoffshore. com、jobsoncruises. com、seacruiseent. comやその他11のホームページとそのリンクなどもこれに含まれ、十分注意するよう呼びかけている。また仕事の斡旋を受ける際に、登録料もしくは医療費の名目で金銭の前払いを求められた場合は、詐欺の可能性があることも、繰り返し警告している。
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調査の中で要注意とされたのは以下の11のホームページ:

idirect.com、internationalpublishers.com、cooljobsite.com、internationalmaritimelink .com、internationaljoblink. com、airlinejoblink.com、modelingjobs.com、cruisejoblink.com、oiljoblink. com、hoteljoblink.com、modeljoblink.com
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基準以下船舶
拘留船舶数は減少したがブラックリストの船籍国数は増加


ポートステート・コントロール(PSC)に関するパリ覚書(MOU)と呼ばれる国際協定の署名国となっている20の海運関係国においては、入港船舶が拘留される危険があるため、欧州諸国の港湾を利用する基準以下船舶の隻数は減少に向かっている。 MOUの最新の年次報告書によれば、査察を受ける船舶数の増大にもかかわらず、危険な欠陥を理由として拘留された船舶の隻数は2003年度中に9.1%減少した。欧州海域に入ってくる船舶の約3割が、PSC査察官によって検査を受けている。 MOUは、船籍国をPSC(港湾国による船舶検査)の成績にもとづいて、良好=「ホワイト」、正常=「グレー」、劣悪=「ブラック」の三種のリストに分類している。 「ブラックリスト」に分類される船籍国は、2002年度よりも一カ国増加して、26カ国となった。「ホワイトリスト」に含まれる船籍国は、前年度から3カ国増加して、29カ国となっている。 「ブラックリスト」の常連の船籍国に変化はない。2002年度に「極めて危険度が高い」と判定された船籍国は、本年度も不変である。最も低劣な成績を記録した船籍国は、依然としてアルバニア、サントメ・プリンシペ、北朝鮮、トンガおよびボリビアである。コモロ諸島は、これらの諸国に続いて「極めて危険度が高い」部門の第六位を獲得した。「ホワイトリスト」には、拘留される船舶が常に少ない優良船籍国が含まれている。英国、スウェーデン、マン島、アイルランド、ドイツは、高水準の成績を残している。 欠陥の約半数は、人命の安全にとって重要な救命用機器、消火用機器、安全一般や航海安全などに関連するものであった。 MOU報告書は次のように述べている。「過去二年間において、査察の対象となった船舶の隻数は着実に増加しているが、拘留措置を受けた船舶数は減少の傾向を見せている。基準以下船舶の所有者らは、パリMOU地域の港湾への入港をあきらめていると報告するには時期尚早と思われるが、パリMOUのゼロ寛容方針が成果を挙げはじめているものと思われる」
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アルゼンチン
アルゼンチンの新法規によりFOC船が非合法化


アルゼンチンの船員労組は、便宜置籍船(FOC船)の再自国籍船化を定めた法律が同国で制定されたことを歓迎している。
アルゼンチンが推進する自国籍船復活計画の一環として、2004年8月にネストール・キルチネル政権は同法に対する議会承認を得た。アルゼンチンでは、90年代以来の規制緩和や民営化により、アルゼンチン籍船が減少の一途をたどっていた。
法案作成にあたり、政府はITF加盟組合のアルゼンチン商船員組合(CCUO)やSOMOとも協議した。同法は、1991年の規制緩和後にFOC登録された船舶を2年以内にアルゼンチン籍に戻すことを定めている。乗船する船員の労働条件もアルゼンチンの法律に沿うものにしなければならない。
さらに、30日以上のカボタージュ規制からの除外措置を受けている外国船舶にも今後はアルゼンチン人乗組員を使用することが求められる。船主は、今後3年間に限り、アルゼンチンの法律に従うことを条件に、新たに受注した貨物(国内貨物および外国貨物)の取り扱いを許可される。
「規制緩和により、何万もの雇用が失われ、外国船舶がアルゼンチン籍になり、アルゼンチン人船員が外国人船員と見なされてきた。船員は外国法のもとで最も基本的な権利すら剥奪されている。キルチネル大統領による今回の決断は、アルゼンチン商船隊復活への重要な第一歩だ」とCCUOのカストロ委員長は語る。
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セネガル
セネガルのオフショア労働者の勝利


セネガルのオフショア労働者は自分たちの会社を買収した多国籍企業の子会社と一年にわたる闘争を経て、補償金と一時金を勝ち取った。
ブーイグ・オフショア社のオフショア労働者(ITF加盟海運労組、SNTMMSの組合員)は同社がセイペム・フランス(セイペム・イタリアの子会社)に買収されたのを受け、親会社のセイペム・イタリアに新雇用契約の締結を要求した。同じ仕事をしている外国籍の労働者に比べて賃金レートが低いことに不満を抱いていたからだ。これに対し、セイペム・イタリアはブーイグ・オフショアとの契約が切れてから新契約を締結すると主張していた。
しかし、子会社のセイペム・フランスは、買収で雇用契約を終了させた場合に労働者に支払うことを約束していた補償金と一時金の支払いを拒否していた。
このため、SNTMMSが一年間にわたりセイペムに対する抗議運動を展開した結果、ついに、6月30日、セイペムは雇用契約に基づいて補償金と一時金を支払うことに合意した。
「契約上の権利を踏みにじろうとする多国籍会社に立ち向かった組合の大きな勝利だ」とITFオフショア・タスクフォースのノリー・マクビカーは語った。
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欧州
反ハラスメント・いじめ規範、欧州で承認される


欧州の船会社が、ITFが支援する商船における機会均等と多様性の容認を目的とする、新たな反ハラスメント・いじめ規範を承認した。
英国では、ハラスメントやいじめに関する同様の規範が、ITF加盟組合の英国船舶職員組合(NUMAST)、全国鉄道海事運輸労組(RMT)、英国船主協会(COS)により導入されている。ITF船員トラストの援助により設立されたこの規範は、海運産業に広がる考え方をハラスメントやいじめに関する最善慣行ガイドラインや機会均等に関する訓練キットなどを通じて変化させることを意図している。
欧州でも同様の規範がEUの財政援助のもとに作成され、ITFの欧州組織である、欧州運輸労連(ETF)とEC船主協会がまとめ、2004年12月から実施されている。
NUMASUTのディッキンソン書記次長は、「未来を担う船舶職員と部員にハラスメントやいじめにどう対処すべきかを教えることは不可欠だ。同様の規範が全世界で確立されることを望みたい」と述べた。
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フィリピン
フィリピンの水産業者に関する緊急動議


フィリピンの水産会社の事実捏造により、フィリピン人漁船員10人が逮捕された事態を受け、ITFは懸念を表明した。
RDツナ号に雇われていた船員は、労働条件をめぐり会社側と闘っており、ITFの助言に反してストライキを起こしたため、逮捕されてしまった。
また、フィリピン船員組合(PSU)出身のITFのインスペクター、パプアニューギニア海事労組の役員、ITF特別船員部の職員に対しても、逮捕状が発せられた。3名は当紛争解決のために奔走していた。
事件に関連し、2004年11月にコペンハーゲンで開催されたITF水産部会総会では、RDツナのグループ企業で組織化キャンペーンを展開することをITFに要請する動議が採択された。
ITFの抗議の結果、逮捕状は取り下げられた。2004年末、ITFは判事が発表した最終判決文の文言修正を求める動議を出した。判決文では、告訴は取り下げられたものの、逮捕された労働者は「抵抗者」、ITFは「抵抗者の扇動者」と表現されているからだ。
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インド
船員年金基金をめぐるスト回避


8月31日に予定されていた、船員年金基金(SPF)の損失をめぐるインド船員組合(NUSI)のストは、政府が損失の穴埋めを約束したため、中止された。損失は詐欺により発生したと言われている。
政府は8月27日に書面で損失の埋め合わせを発表した。この日の前日、NUSIはムンバイの官庁前で600人規模のデモを行い、海運局長とSPF理事に覚書を渡し、10億ルピー(2,200万ドル)に上る損失の埋め合わせを要求していた。SPFは法律で定められた船員の掛け金から成り(強制加入)、引退後の船員の生活を支えるものだ。
政府はできるだけ早い時期に損失を補填するために効果的な措置を取ると約束している。
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英国
基準以下船と船員の搾取が明らかに


鉄道海事運輸労組(RMT)と船舶職員組合、運輸一般労組、運輸一般連合、サービス専門技術組合など、英国とアイルランドのITF加盟組合が2004年9月に4日間かけて行った、船員の搾取と基準以下船を撲滅するキャンペーンの結果、英国およびアイルランド水域で、驚くべき「社会的ダンピング」の実態が明らかになった。キャンペーン中にベルファースト、ダブリン、グリーノル、ウォーターフォード、コークなどのアイルランドの港に停泊中の15船を訪船したITFインスペクターは、基準以下船やビルマ人、フィリピン人、ウクライナ人などの船員が低賃金労働を強いられている事実をつきとめた。
キャンペーンのターゲット船のひとつとされた、コーラス・スティースが用船主のアンティグア籍船「ベリーズ・トレーダー号」では、ウクライナ人船員が時給3.8米ドル以下で働かされており、Rラプソーン社所有の英国籍船では、フィリピン人船員が時給3.8米ドルで週48時間の労働を強いられていた。英国の港や水域を運航する英国籍船に乗船する船員は、最低でも時給9ドルの賃金を受け取る権利がある。
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韓国
韓国で漁船員の争議が終了


ITF加盟の韓国海員組合連盟(FKSU)が2004年8月にゼネストを行うと宣言すると、韓国海運水産省は、新たな合意文書を作成し、これに署名した。
7月にFKSUの組合員1000人強が海運水産省前で座り込みの抗議を行ったが、組合側は同省との交渉で満足の行く結果が引き出せなかったため、ゼネストを宣言した。
新たな合意文書は、既存の漁船員法を見直すもので、これにより、漁船員は、有給休暇つきで、一年を越える乗船ができるようになる。また以前は総重量25トン以上の船舶に限られていた同法の適用範囲が20トン以上の船舶にまで拡大されることになった。
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マダガスカル
ITFの支援で新たな組合設立


マダガスカルで新たに設立されたマダガスカル海事労組(Sygmma)の代表者20名がITFの研修を受け、民主主義的な組合の管理方法を学んだ。
研修の目的は、2003年にITFが組合設立のためにマダガスカルに派遣したミッションのフォローアップとして、Sygmmaの能力強化を目指した研修であった。
ミッションや研修はITFと加盟組合のFGTE-CFDTの協力により行われ、SygmmaのITF加盟は2004年4月のITF執行委員会で承認されている。
マダガスカル・ミッションの団長を務めたITF幹部のトニー・マクレガーは、「組合の設立は、マダガスカルの海事労働者が自らの権利を擁護するため、強力な組合を組織する絶好の機会だ。Sygmmaは、マダガスカル政府に国際法を批准させ、船員の再訓練システムを確立することを要求して欲しい」と述べた。
Sygmmaのルシエン・ラザフィンドライブ書記長は、「目下の勘案事項は船員の完全雇用確保、船員による配乗会社への贈賄を廃止することだ」と述べた。
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フランス
第二船籍計画、抗議を受ける


ITFは、船員を雇用する際により緩い基準を船主に許可する「第二船籍」制度をフランス政府が導入しようとしていることを懸念している。
ITFのコックロフト書記長は次のように述べている。「自国籍船の導入こそベストの選択肢だ。基準以下の選択肢をつくり出してしまえば、海運産業の基準以下化を招くことになる。残念ながら、フランス政府はその選択肢を選んでしまったようだ。それならば、第二船籍の導入によって下落したフランスの評判を回復するには、どうすればリスクを軽減できるか、あらゆる意見に耳を傾けるより他にないことをフランスに知らしめていくしかない。ITFは、理にかなった保障制度を併せて導入するように要求しているフランスの組合を支持する。
第二船籍を導入しないのがベストだが、導入するのであれば、労使の合意のもとにするべきだ」
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インド
インドのオフショア労働者、未払い賃金48,000ドルを回収


インド籍のオフショア船「マラヴィア5号」の乗組員は、6年前の裁判で勝ち取った未払い賃金を未だに受け取っていなかったが、ITFに加盟するインド海員組合(NUSI)の尽力で、このたび無事に支払われた。
1999年、インドの高等裁判所はマラヴィア5号の船主に対し、乗組員9人の未払い賃金を支払うよう命じていたが、船主のグレート・イースタン社は判決を無視し、支払いを拒み続けていた。
NUSIのほか、インド船主協会やマンニング・エージェントもロビー活動や陳情に加わったため、船主は譲歩を余儀なくされ、乗組員はついに48,000ドルの未払い賃金を獲得した。
マラヴィア5号の乗組員は、NUSIのアブヅドゥガニ・セラン書記長に宛てた手紙の中で、NUSIが「自主的な判断で支援」してくれたことを讃え、「企業が上げた収益の一部は労働者に還元されるべきだ」と述べた。
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西アフリカ
ITF、石油労組と合同キャンペーン


ITFと国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)が合同で行っている労働条件改善のための合同キャンペーンはまず、西アフリカのオフショア産業を活動の対象とする。
キャンペーンに先立ち、ナイジェリアや象牙海岸を訪れたITFオフショア・タスクフォースのノリー・マクビカー率いる事実調査団は、西アフリカの労働者は仕事に見合うだけの公正な報酬を受け取っていないことが明らかになった。
オフショア労働者の10人中9人までがナイジェリア人でないか、あるいはアフリカ人でもない事実を考慮すると、加盟組合間の協力を早急に拡大する必要がある。
2005年中にナイジェリアでITF−ICEM合同会議を開催する予定で、西アフリカ地域のITFおよびICEMの加盟組合は、オフショア産業のほかの利害関係者とともに、同会議に参加できる。
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パラグアイ
ITFの努力で政府が石油輸送自由化政策を転換


ITF加盟組合の連帯が、パラグアイ政府の石油輸送自由化政策を転換させた。ITFに加盟するパラグアイ運輸労組(USTT)を巻き込んだこの争議は、国営のPETROPAR社が、石油および関連物質を外国企業(外国籍船を含む)に輸送させるために、「貨物留保条項」を回避しようとしたことに端を発している。
このような行為は、自国籍船を優遇する国内法に違反するばかりか、内陸水運・海運産業で何千人もの雇用を奪う可能性を秘めていた。
しかし、ITF加盟組合がパラグアイ政府に抗議文を送ったり、デモ行動や記者会見などを行ったりした結果、労働者の権利・雇用の確保と自国籍船の優遇を支持する決議が議会で採択された。
「海運労組が政府の政策を変えさせることができたのは初めてだ。われわれは、“パラグアイ商船隊を守る”という、政府がこれまで出来なかったことを成し遂げた。今度は、海運業界に長い間、根付いている“汚職”と闘うキャンペーンを立ち上げる」とUSTTのダイアズ会長は語った。
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●ストライキをしようと思っていますか?
●まずこの文章を読んでください!


便宜置籍船(FOC)に乗り組む船員が正当な賃金と適正な団体協約の適用を受けるために支援することをITFは約束しています。
場合によっては、船員は当該国内の法廷における法的手続きを取る必要があります。場合によっては、船舶に対するボイコット行動が必要です。どのような手段が適切かは、国または場所によって異なります。ある国では適切な行動が、他の国においては全く不適切なこともあります。
最初にとるべき行動は、まずあなたの住む地域のITF代表に連絡することです。このITFシーフェアラーズ・ブルテンの裏表紙に記載されている住所と電話番号等を参照してください。何らかの行動に出る前に、ITF地域代表の助言を必ず得てください。
一部の国においては、船舶の乗組員によるストライキが違法行為となる場合があります。そのような場合には、ITF地域代表がその情報について説明します。
多くの国において、労使紛争に際しての勝利の鍵を握るのは、ストライキ行動です。この場合にも、ITF地域代表の助言に基づいて行動する必要があることは言うまでもありません。多くの国で、あなたがた船員には、航行中を除き、入港中のストライキ権が法律上認められています。
あらゆるストライキ行動において重要なことは、規律と安全を守り、団結を維持することです。多くの国で、ストライキ権は基本的人権の一部として、法律あるいは憲法により保障されています。
どのような行動を選択するにせよ、事前に地域のITF代表に連絡することを決して忘れないでください。お互いに協力することによって、我々は正義と基本的権利のための闘いに勝利することができるのです。
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船員の単一国際条約の策定計画をITFは支持

船員のグローバルな労働基準に関する新たな国際条約についての交渉が国際労働機関(ILO)で進められている

関係国政府、船主及びITFが代表している労働組合は、新たなILO文書を2006年には成立させたいと希望している。この計画は、60以上の海上労働条約を整理・統合して、海上の労働条件に適用される単一のILO文書(別項を参照)の策定を目指している。これらの条約のなかには、1920年代から1930年代にかけて採択されたものが含まれている。
多数の国によって批准され、世界の商船隊の90%以上の船舶に適用されている、国際海事機関(IMO)によって起草された技術的な条約とは異なり、一般的にILO条約は多数の政府による批准を受けていない。
しかし、船舶の構造と当直に関する基準が、船員の諸条件に劇的な影響を与えたように、海上の労働条件についてILO条約が持っている潜在的な影響力は、極めて大きい。
約100ページに及ぶ素案は、雇用の最低基準、労働条件、本国送還、休暇の権利、船内労働及び居住設備基準、社会保障、福祉ならびに実施と監督をカバーしている。また、時勢に合わせた改正を容易に行うために、簡素化された改正手続きの採択も予定されている。
ILO船員グループの事務局長を勤めるジョン・ウイットローITF船員部長は次のように述べている。「この作業の目的は、現行の海上労働基準を統合して、船員のための『権利憲章』を策定し、これによって全ての船員の然るべき生活・労働条件を担保しようとするものである。これらの権利は、実際面においては効率的な実施ならびに監督機構を通じて最低基準を確定することによって実現されるべきもので、現在の海運産業において広範に見られる社会・労働条件に関する不公正競争の解消を目指すものである。海上人命安全条約(SOLAS)及び海上汚染防止条約(MARPOL)によって確立された人命安全と環境保護と同じように、この新たなILO文書によって社会・労働の側面も担保しようとするのが、我々の目標である」
船内の居住・労働条件及び船員の団結権などは、一連の現行条約によってカバーされている。一部の条約は船員のみを対象としているが、全ての労働者を対象としているものもある。これらの国際条約は、政府、使用者及び労働組合によって合意されたものであるが、政府による批准手続きが完了したのちにのみ、その条約は発効する。

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船員に関する主要ILO条約

一般条約

ILO条約のなかには、船員のみを適用対象とした条約もある。一方、船員は一般的なILO条約の適用範囲にも含まれている。労働基本権に関するILO宣言は、団結権、団体交渉権、強制労働、児童労働、差別からの自由の権利を基本的権利と規定している。これらの分野を対象とする以下に列記する8つのILO条約は「中核的条約」と呼ばれている。すなわち:
強制労働条約(第29号)1930年  
結社の自由と団結権の保護条約(第87号)1948年  
団結権と団体交渉権条約(第98号)1949年  
同一報酬条約(第100号)1951年  
強制労働撤廃条約(第105号)1957年  
差別待遇(雇用及び職業)条約(第111号)1958年  
最低年齢条約(第138号)1973年  
最悪の形態の児童労働撤廃条約(第182号)1999年
労働者が労働組合に加入する権利(団結権)を認知している最も重要な国際条約は、ILO第87号条約である。第98号条約は、労働組合への加入を理由とする差別を禁止し、労働者を保護している。使用者は、労働組合活動を理由として労働者を解雇することはできない。

海事条約

以下に述べるILO海事条約は、船員のみを適用対象としており、提案されている統合条約に繰り入れられる予定である。
商船(最低基準)条約(第147号)1976年に採択されたこの条約は、主要海運国を含む48カ国によって批准され、1981年に発効した。特に海運産業を念頭においたこの条約は、商船における最低労働・生活条件ならびに船員の社会保障制度を要件として取り入れている。船内における人命の安全を確保するために、関係国政府は、安全基準、とりわけ技能の基準、労働時間及び最低定員の制定を約束している。この条約は、ポートステート・コントロール(PSC)の規定を持っており、ラテンアメリカを除く世界各地域のPSCに関する覚書は、この条約に基づいているために特に重要な条約となっている。近く採択されている新海事条約は、第147号条約によって確立された制度をさらに発展させる予定である。
船員募集・配乗条約(第179号)1996年に採択され、2001年に発効した。批准国は次の9カ国である。ブルガリア、フィンランド、フランス、アイルランド、モロッコ、ナイジェリア、ノルウェー、フィリピン及びロシア。第179号条約は、各国政府に対し船員雇用・配乗代理業者の監督・規制を求めている。この条約は、船員の雇用に際して、国内規定に基づく健康検査、健康証明書、個人旅行用書類などの料金、手数料を船員から徴収してはならないと明白に規定している。全ての船員は、雇用契約書を所持し、労働組合に加入する権利は尊重されなければならない。
その他の条約は、労働時間や社会保障の基準に関する事項を取り扱っている。
労働者が労働組合に加入する権利(団結権)を認知している最も重要な国際条約は、ILO第87号条約である。第98号条約は、労働組合への加入を理由とする差別を禁止し、労働者を保護している。使用者は、労働組合活動を理由として労働者を解雇することはできない。

権利

労働者の団結権や交渉を効果的に行う権利は、差別からの自由やその他の雇用に関する基本的権利とともに、1998年の労働基本権に関するILO宣言に謳われている。 船員の権利に関連する主要なILO条約の概要は、前のページに述べられている。一部の条約は多数の国によって調印されており、世界の船腹量の6割以上を構成する諸国によって批准されている。一方、十分な数の国が批准していない条約もある。
2003年に採択された船員の身分証明書に関する条約(第185号)は、この統合条約に繰り入れられない唯一の船員関連条約である。
船員に関する条約で最古の条約は、1920年に採択された船員の最低年齢に関する条約(第7号)である。これは1919年にILOが設立されたのちに、最初に採択された条約の一つである。その他の初期の条約は、医療、身体検査、本国送還、居住設備、食料及び調理設備などに関連している。
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