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グローバルユニオン

No.19/2005
■海運概況
 
海運市況の見通しは今後も明るい

過去2年間のように事実上、海運産業のすべての部門(タンカー、バルカー、コンテナ船及び港湾事業など)で健全な成長期が続いたことは極めて稀である。経済専門家や市況予測専門家は、海運産業にとって避けられない景気循環の低迷局面が2006年に訪れるかもしれないと警戒をうながしつつも、貿易の拡大と海上運賃の堅調が2005年度中は続くであろうと予想している。
世界の貿易の拡大は、中国に牽引されたグローバルな経済成長が基礎となっている。製造産業の成長を支える原油及び原材料の需要は、いうまでもなくタンカーやバルカー(バラ積み船)への需要増加となり、極東地域の製品にたいする旺盛な需要によってコンテナ輸送部門は利益を得ることとなる。
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貿易

国連貿易開発会議(UNCTAD)の最新の統計によれば、海上輸送量は、2003年度には3.7%増加し、記録的な61億7千万トンを達成した。2004年度も同様の数字が出るものと期待されている。
世界の船腹量はこれを上回る増加を示している。タンカーは4 . 1%、バルカーは2.5%、コンテナ船はさらに大幅な9.3%の拡大を示しているほか、天然ガス輸送船隊も7.6%の増加を見せている。
各船型別の船腹量の増加にもかかわらず、海運市況の好調さを示す指数の一つである余剰船腹量は2003年度は一貫して減少を続け、世界の船腹量のわずか1.2%に止まっている。
過去2年間にわたって、海上運賃は年率6%以上の割合で上昇したが、とりわけ太平洋横断航路のコンテナ運賃は、約25%という大幅な上昇を記録した。欧州から米国向け、およびアジアから欧州向けの運賃も、15%以上増加している。
業界の観測筋は、2005年度の新造船の引渡し隻数は荷主の旺盛な需要を満たすには十分ではないと予測されるが、世界の船腹需要量の15%増に相当する新造船が、2006年度に完成し、引き渡されることになれば、船腹需給の状況が逆転することもあり得ると見ている。
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新造船

新造船の増加は、世界の海上輸送の3分の2を支配する主要先進諸国において顕著である。便宜置籍船(FOC)の比率は、2003年度には僅かに増加したが、重量トン数でみれば世界船腹量のおよそ半分を占めている。
世界で最も重要な海運国であるギリシャの船主が所有する船隊の3分の2は、ギリシャ以外の国に船籍を登録している。世界第2位の受益船主国である日本の場合も、約90%が外国の国旗を掲げている。
世界海運にとってのアジアの重要性は、UNCTADの報告書でも強調されている。この報告書によれば、世界の定期船運航企業の上位25社のうち16社および、上位50社のうち28社がこの地域に本拠地を置いている。さらに、世界の船舶部員の6割は、アジア諸国の出身者である。最大の船員供給国はフィリピンで、インドネシア、中国、トルコ、インドがこれに続いている。
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諸国の賃金コスト概算
(USドル、乗船中、一ヶ月あたり)

  船長 AB船員
  ドライカーゴ タンカー ドライカーゴ タンカー
英国 9,300〜
11,000
11,000〜
12,800
3,500〜
4,200
4,200〜
4,900
デンマーク 8,760〜
10,820
9,790〜
11,850
3,810〜
4,120
4,330〜
4,640
スペイン 7,300〜
7,500
8,300〜
8,500
2,100〜
2,300
2,200〜
2,400
パキスタン 4,800〜
5,200
5,300〜
5,600
1,300〜
1,400
1,300〜
1,400
インド 4,700〜
4,900
5,500〜
5,900
1,160〜
1,400
1,215〜
1,400
クロアチア 4,600〜
5,000
6,000〜
8,000
1,300〜
1,400
1,300〜
1,400
韓国 4,500〜
5,000
5,500〜
6,000
1,400〜
1,700
1,700〜
2,300
ラトビア 4,500〜
5,000
5,500〜
5,800
1,300〜
1,400
1,300〜
1,400
ロシア 4,500〜
4,800
5,000〜
5,500
1,300〜
1,400
1,350〜
1,450
ポーランド 4,500〜
4,700
5,900〜
6,300
1,200〜
1,400
1,350〜
1,550
メキシコ 4,330〜
4,530
4,750〜
4,950
1,150〜
1,400
1,200〜
1,450
モンテネグロ 4,100〜
4,300
6,150〜
6,350
1,300〜
1,400
1,390〜
1,490
エジプト 3,880〜
4,080
4,490〜
4,690
1,400〜
1,450
1,400〜
1,450
ルーマニア 3,800〜
4,000
5,050〜
5,250
1,150〜
1,400
1,350〜
1,550
フィリピン 3,600〜
4,000
3,800〜
4,300
1,050〜
1,400
1,100〜
1,400
ウクライナ 3,460〜
3,660
3,980〜
4,190
870〜
970
970〜
1,070
中国 2,700〜
3,300
3,550〜
4,150
820〜
1,000
970〜
1,200
ビルマ/ミャンマー 2,150〜
2,350
2,550〜
2,750
370〜
420
450〜
500

ドゥルーリー報告書「船舶運航コスト年間概要と予想 - 2004/05」より。
注:上記賃金は、ITF協約の適用による改善を考慮していない。
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国別船腹保有量 (上位50カ国)
(総トン数、2004年1月1日現在)

    隻数
(100総トン以上)
総トン数
(百万トン)
2003年度
増加率(GT)
船齢
           
1 パナマ* 6,302 125.7 0.8 17
2 リベリア* 1,533 52.4 4.0 12
3 バハマ* 1,297 34.7 -3.1 15
4 ギリシャ 1,558 32.2 11.8 22
5 マルタ* 1,301 25.1 -30.9 18
6 シンガポール 1,761 23.2 10.0 11
7 キプロス* 1,198 22.1 -3.9 16
8 香港 901 20.5 26.5 12
9 中国 3,376 18.4 6.4 22
10 マーシャル諸島* 515 17.6 19.7 12
11 ノルウェー(NIS) 705 17.0 -7.6 16
12 日本 7,151 13.6 -2.2 13
13 英国 1,594 10.8 35.0 20
14 ロシア 4,950 10.4 0.0 23
15 米国 6,144 10.3 0.0 24
16 イタリア 1,504 10.2 6.3 22
17 デンマーク(DIS) 425 7.2 1.4 17
18 インド 1,028 7.0 14.8 18
19 韓国 2,604 6.7 -4.3 23
20 マン島 302 6.4 10
21 セントビンセント* 1,219 6.3 -4.6 24
22 ドイツ 728 6.1 -6.2 22
23 アンチグア・バーブーダ* 950 6.0 17.7 12
24 マレーシア 972 5.7 5.6 17
25 オランダ 1,313 5.7 0.0 16
26 フィリピン 1,703 5.1 -3.8 26
27 トルコ 1,113 4.9 -14.0 25
28 イラン 382 4.8 17.1 20
29 バーミューダ* 106 4.8 0.0 16
30 インドネシア 2,700 3.8 2.7 25
31 スウェーデン 581 3.6 12.5 30
32 ノルウェー 1,548 3.5 -7.9 27
33 台湾 637 3.5 -18.6 23
34 仏領南極圏諸島 116 3.3 10.0 8
35 ブラジル 482 3.3 -5.7 24
36 カナダ 916 2.8 0.0 29
37 タイ 671 2.3 21.1 24
38 クエート 208 2.3 0.0 23
39 オーストラリア 643 1.9 0.0 21
40 バヌアツ* 352 1.6 14.3 17
41 ベリーズ* 1,040 1.5 0.0 23
42 フィンランド 280 1.4 -6.7 31
43 ウクライナ 829 1.4 7.7 24
44 サウジアラビア 285 1.4 -6.7 22
45 フランス 561 1.4 0.0 21
46 エジプト 346 1.1 -15.4 25
47 メキシコ 654 1.0 11.1 25
48 アルジェリア 137 0.9 0.0 24
49 ホンジュラス* 1,143 0.8 -11.1 30
50 ブルガリア 151 0.7 -22.2 28

出典:ロイズ船級協会/*印はFOC(便宜置籍国)を示す。
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国別海上貿易比率
(2003年度末現在)

  世界貿易に
占める比率
世界船腹量に
占める比率
     
  % % dwt
米国 13 5.9
ドイツ 8.7 6.3
日本 5.5 14.2
中国 5.5 6.1
フランス 5 0.6
英国 4.4 2.5
イタリア 3.7 1.6
オランダ 3.6 0.9
カナダ 3.3 0.8
ベルギー 3.1 0.8
香港( 中国) 2.9 4
韓国 2.4 3.3
スペイン 2.3 0.6
メキシコ 2.2 0
台湾 1.8 3
シンガポール 1.7 3
ロシア 1.3 2.2
スイス 1.3 1.1
マレーシア 1.2 1.3
スウェーデン 1.2 0.8

出展:Unctad/WTO.
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海運市況の見通しは今後も明るい

外国籍船舶に勤務するフィリピン人船員による本国送金の総額は、政府の発表した数値によれば、2004年度において14億ドル(US)、月平均1億2千万ドル(US)であった。送金額は、2003年度に比較して12.4%の増加であった。
UNCTAD「海上輸送レビュー」2005年2月
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