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2007年1〜3月 第26号 |
■今月のニュース |
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港湾
モロッコの解雇計画に対し警告
ITFは11月、モロッコ政府が港湾改革計画の一環として2,000人の港湾労働者を解雇しようとしていることを非難した。
労働者はITF加盟組合のモロッコ運輸労働組合の組合員であるが、モロッコ港湾の再建計画の結果解雇に直面することとなったものである。本件について組合の抗議や受け入れ可能な決着を目指して継続的に話し合いが試みられたにもかかわらず、この結果となった。
モロッコ運輸大臣および雇用大臣宛書簡でITF港湾部会部長のフランク・レイは次のように述べている;「このように多くの人々の生計を失なわさせ、労働者自身のみならずその家族にも影響をあたえるということは、そもそも政府の改革過程に対する管理能力と労働者の福祉に対する姿勢を疑わせるものである。この何ヵ月か組合が受け入れ可能な解決を目指して交渉継続に努力してきたにもかかわらず、港湾労働者の懸念がまったくかえりみられなかったことからもこのことは明らかである」。
世界中のITF加盟組合が労働組合権を支持して連帯の手を差し伸べようとしていることに触れつつ、彼はさらに次のように続ける;「貴政府の決定がもたらすきわめて重大な社会的影響へのモロッコ組合の懸念を共有し、貴下に対しモロッコ運輸労組との間で意味ある協議に入り適切な解決策を探し出すよう緊急に強く求めるものである」。
この見解は欧州運輸労連からも支持され、同組合はモロッコ港湾労働者を支援した書簡をモロッコ両大臣宛に提出した。
一方、チュニジアで開催されたITF教育ワークショップに参加したモロッコ、レバノン、ヨルダン、チュニジアの12の労働組合代表も解雇を非難した声明を採択し、声明はチュニスのモロッコ大使館へ届けられた。
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コスタリカにおけるストライキ行動の勝利
コスタリカの港湾労働者が二つの港でストライキを行った結果、政府との間で合意締結にこぎつけ大きな勝利を勝ち取ることになった。労働者は港湾改革計画に関して十分な協議がなかったことに抗議、また団体協約の条件が尊重されるべきことを要求した。ITF加盟組合のコスタリカ港湾組合SINTRAJAPの港湾労働者はリモン港とモイン港において9月25日順法闘争を開始した。これに対して当局は手荒い方法で対応し、300人の警官と警備員を派遣して組合員から荷役労働を奪い取ろうとした。労働者は攻撃や脅しにさらされた。
しかし10月27日になって劇的な転回が起こり、組合は政府との間で画期的な協定に合意することとなった。協定は未払い給付金支払いの約束など組合の全要求を満たすものであり、またその中には特別委員会を設置して港の近代化を進めることや、港湾労働者の労働条件について調査を進めることも定められている。さらに合意は会社側が労働者や組合指導者への嫌がらせや起訴は行わないことを確約している。
ITFと国際食品労連(IUF)はコスタリカの港とグアテマラのクェツァイ港を使っている果物会社に働きかけた。グアテマラではITF加盟のSTEPQが港湾民営化と組合弾圧に反対してデモ行進を行ったところ、同様に機動隊が動員されにらみ合いが発生していた。コスタリカの合意があった後グアテマラ政府も交渉の席につく用意がある旨を明らかにしている。
勝利に触れてITF中南米・カリブ地域部長のアントニオ・フリッツは「コスタリカ政府が結社の自由と団体協約は尊重されなければならないことを理解するよう望んでいる。コスタリカ政府自身が署名した法と国際協定の尊重を要求するためにさえ組合がストやデモなどの行動を起こさなければならないとは全く信じがたい事態である」と語っている。
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ITFと関連組合の介入、パキスタンの港湾利用権確保を実現
ITFとその加盟組合であるパキスタン港湾労働者組合の働きかけが功を奏して、パキスタン政府はカラチの港を民営化する計画を再考することになった。
現地組合から、カラチ港で雇用を管理してきた港湾労働委員会の閉鎖計画を知らされたITFはパキスタン政府と港湾管理当局に連絡をとり、民営化で4,000人近くの人々の職が危うくなる可能性に懸念を表明すると共に、合同交渉委員会に組合の参加を実現するよう強く要請した。
港湾労働者の集会もあり、ITF連絡網にはその後管理者側から、合同フォーラムを作り労働者側の懸念に耳を傾けたいとの申し出が伝えられた。
ITF港湾労働者部会部長のフランク・レイは「望ましい前向きな最初の一歩となった。しかしこの結果を良しとして座して待っているわけにはまだいかない。管理側が交渉へ前向きな姿勢を示し続け、政府側からも同様な公約が得られることを期待する」と述べている。
彼は「パキスタンの組合がここまで達成できたその成果を祝したい。変化の時ではあるが、組合の職を確保せんとする闘いにITFも支援を続ける所存である」と締めくくっている。
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