産別組合の女性たち
一般的に言って私の地域の女性は労働力にどんどん組み込まれてきているにもかかわらず、産別組合など他人事だと思っている。例えばヨルダンで航空部門で働く女性は組合員のわずか25%を占めるに過ぎず、そのうち組合の意思決定機関に入っている女性は1%にも満たない。
何故なのか? 大きな理由は家族への責任がより根本的なものであり、まず最優先されるからである。一方で組合に参加することで何かいいことがあるのか、そもそも組合の役割とは何なのかよく分からない。他方で組合は女性労働者のニーズに疎く、多くの男性組合員は女性が組合、特にその意思決定機関に参加するのに強く抵抗してきた経緯がある。しかし男性も女性も組合自体への自分の姿勢や組合内でのお互いの役割について態度を変化させつつある。
ワドハ・ダビス
ヨルダン航空運輸・観光一般労組
アメリカの航空パイロット組合(ALPA)は女性も含め全てのパイロットを同じように平等に代表する組合である。私の実務経験では、コックピット内における女性の実績は男性の同僚に引けを取らないものであった。つまり業務をこなす際に男女間で実績に差異は全く見られないということが示されており、また認められてきている。ALPAは多様性の確保と促進に努めてきており、それは操縦室でも組合内においても私自身がパイロットとしてまたボランティアとして確認してきたことである。
カーマイン・マラスカ
米国航空機パイロット国際組合
全ての働く女性たちにとって均等な賃金、雇用機会、子育ての負担は大きな課題である。賃金の性差別はこれを撤廃しようとする法的なまた組合の戦略をかいくぐって生き延びている。
私たちの組合であるSiptuにおいて幹部クラスでは均等問題担当の専従役員を置き、またこの問題に取り組む一般活動家委員会を作っている。組合の関心事は組合大会の結果と共に政府の予算編成時期に我々が提出する要望に組み込まれ、さらに国の5ヵ年計画策定における政府に対する我々の要望の中にも組み込まれる。
組合はさらに組合活動家を対象とした大学において均等問題の訓練コースを実施しており、また組合活動における女性のリーダーシップ涵養の目的でECの資金協力で運営されている「メンター制度(職場指導者育成制度)」に幹部女性組合員が参加できるよう支援している。
アン・スピード
アイルランドサービス業・産業・専門職業・技術者組合
私の組合は組織改変の最中であるが、組合にはコロンビア、カルタヘナの女性タクシー運転手15人中8人が参加している。これは組合に対する信頼性の証といえる。さらにITFが実施する会議やセミナーに女性組合員が参加してきたことはきわめて有益であった。彼らは自らの経験を他の女性組合員に伝え、その結果人間関係が改善されたし、女性に対する認識を改めさせる効果もあった。
女性組合員の人数が増え、組合の会議や行事にこれら女性の参加が見込まれるようになってきている。
加盟組合員の総会と労働省で承認された最近の規制改革で、「優秀な仕事」並びに組合執行役員・常設委員会委員の夫人による組合活動を奨励し支援していく規定が含まれた。本年女性委員会が創設されたが、これは経営者の夫人と女性組合員で構成されている。この委員会は男性組合員の夫人と子供の参加を得て三つの社会・経済的活動を実施しており、組合への一体感をさらに強め、参画意識を醸成しようとしている。
エステバン・バルボサ・パレンシア
コロンビア・カルタヘナ・タクシー運転手組合
私の組合では女性はきわめて重要な役割を果たしている。組合では家族の介護休暇制度作りに努力してきた。というのは仕事と子供や年老いた両親の世話を上手にやりくりしなければならないのは通常女性だからである。もし家族問題を配慮した法律を作りまたこれらに関して団体交渉の規定を作ることができれば、全ての人が受益し、女性組合員は家庭と職場からの要求にバランスをもった対応をすることが可能となるだろう。
カーラ・ウィンクラー
米国 機械工作・航空宇宙産業関連労働者国際組合
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