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2007年1〜3月 第26号 |
■コメント |
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共にジェンダーの壁を越えよう
50万人を下らないITF女性労働者が参加する―もっと多くの参加があるべきだが。もちろんITF男性労働者たちももっと参加するべきだし、ITFの青年労働者たちも同様である。明日の労働者を代表しようとするには、交通運輸労組は今まさに変わることが求められている。
変革の一つの方法は異なった人種や文化の間の垣根を取り除くことであり、また男性と女性の間の、若者と年配者の、契約労働者と正規雇用労働者との間の垣根を取り除くことである。
3月8日の国際婦人デーに取り上げるのはジェンダーの壁の問題である。平均してITF加盟80組合が毎年この日にはデモ行進やセミナーに参加する。彼らの活動は少しではあるが変化しつつある。かつてはジェンダーの問題に時間を割くほど交通運輸産業には女性労働者がいないと考えるものもいた。しかし働きかけにより女性がどんどん参加してきており、組合にかかわり続けている。
しかし国際婦人デーも根底にある溝を埋めるまでには至っていない。南アフリカの組合Satawuのケイト・マトロウが大会で語っていたように組合運動には権力闘争の側面がある。組合リーダーの中には女性が権力を奪取したがっていると考えて脅威を感じる者もいる。女性の中にはリーダーシップを獲得する道を進み始めるや男性仲間からの反対に遭いそれを恨みに感ずる者もいる。このダイナミズムは政治的参加が進むにつれ、次第に減少していく。3月8日に一緒に行動してこの問題への挑戦を誓うことの重要性は軽視されてはならない。一方我々はこうした政治参加を団体交渉の成果や法制度上の改革へとつなげていくように努めなければならない。とどのつまりは交通運輸産業に従事する男性労働者、女性労働者の行動が求められている。
労働時間、休暇、賃金、健康的な労働環境:これらは交通運輸産業の女性労働者の生活に大きく影響する事柄である。全てにジェンダーの側面がありそれが最も重要であるが、結局のところは男性も女性も望むことは同じであり、ともに適正な労働と公正な扱いを望んでいるのである。男性労働者が影響を受けることには女性労働者も影響を受ける。逆もまたしかりである。それでも溝はあり続けるだろうし、常に職場では女性も男性も酷使されるし、収入は不安定で、家族の苦労も続く。
2002年以来ITFは11月25日を「国連女性に対する暴力撤廃の日」と定めている。交通運輸産業における暴力やハラスメントについて議論するとき、加害者の何人かは仲間の組合員であるという事実に人は目をつぶるわけにはいかない。HIV/エイズの議論をしている最中にエイズを女性に限定した問題と捉えることに怒りを感じたその場の女性は、前提としてまず男性の行動が必ずあってそれが原因となって問題が引き起こされていると逆襲した。問題を労働組合員の立場から女性が議論しようとするのは、なにも仲間の男性労働者を糾弾したいからではない。家長制度主義的な態度に対抗していくためには男性の支持か必要だからなのである。
労働組合員としてまた交通運輸産業の労働者として、ITFの男性・女性労働者はジェンダーの問題を真剣に捉える必要がある。これは組合の民主主義の問題であるし、組合生き残りの問題でもある。ジェンダーの問題に取り組むことは若者などまだ組合員になっていない層を取り込む一層の努力につながる。この努力はITF加盟組合のいくつかにとっては快適ゾーンを越えてしまう結果になるだろうが、実は「グローバルな組織化へ」という活動方針の中心部分をなす課題である。
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