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グローバルユニオン

2007年1〜3月 第26号
■権利を求める闘い、大前進
 
権利を求める闘い、大前進

インテグレーター企業で働く労働者は、世界各国で同じ企業に雇用されている労働者との横の繋がりを強みに、労働条件向上のために活動中。

世界の4大ロジスティックス会社を組織する組合は、2006年11月のインテグレーター国際行動日の一環として、労働者の権利とグローバル連帯のために立ち上がった。
インテグレーター国際行動日は、ITFとユニオン・ネットワーク・インターナショナル(UNI)が共催し、DHL、Fedex、UPS、TNTに雇用される組合員が参加した。彼らは、小包の仕分け、輸送、配送など統合された(インテグレートされた)輸送業務に携わっている。
労働者の状況により、組合は国際行動日を利用して既に築いてきた労使関係をさらに強化し、組織率を向上させ、組合加入を目指す労働者に敵対的な使用者に立ち向かうなどの取り組みをした。
世界のインテグレーター企業で働く労働者のうち、約100万人が既に組合に加入しており、これら組合のほとんどが、ITFかUNI に加盟している。コールセンターのオペレーター、急送便担当者、税関事務員、運行管理、パイロット、保安員、仕分け係、トラックの運転手など労働者の職種は多岐に渡る。
行動日には、国境や職種を越えて雇用が行われるというインテグレーター産業特有のグローバルな側面を反映し、「グローバルな組織化へ、権利のための闘い」のスローガンのもと、集会、啓蒙活動、記者会見などが行われた。
行動日に参加した少なくとも10カ国の組合の反応の大きさからも、人間らしい仕事、賃金、労働条件を組合員に提供するためには、グローバルレベルで活動を計画し、様々な取り組みの調整を図る必要があることを組合が十分理解していることが分かる。
行動日の実施によって、すでに国内で推進してきたキャンペーンや国内で発生していた労使紛争が前進したという組合が一部見られた。例えば、フランスでは、柔軟な賃金制度の導入に抗議する第2次ストライキを行動日に合わせて実施する予定でいた。オーストラリアでは、国会で議員がITFとUNIの合同行動日について言及した。
ITFの浦田誠・内陸運輸部長は、「今回の国際行動日により、世界の4大インテグレーター企業を組織する組合は、多国籍企業の無謀を許さない国際労働運動に自分たちも参加していることを実感した」と述べた。
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なぜ組合が必要なのか

職場の声(DHLとその下請け会社)

組合に入って受けた贈り物
私はコペンハーゲン空港のDHLで、グランドハンドリングや貨物の仕分けをしている。この仕事を始めて12年になる。組合(3F)にもこの30年加入している。デンマークでは組合に入るのはごく普通のことで、ほとんどの労働者が組合員だ。昔は親が子供の就職祝いに組合加入資格をプレゼントしたものだった。
国内レベルおよび世界レベルで組織化を進めることが非常に重要だと思う。一致団結して組合に代表され、一丸となって使用者と交渉することが、最善の労働条件を獲得する上では不可欠だ。
グローバル化が進む昨今、国際連帯とコミュニケーションの促進こそが、多国籍企業などとの間に生じる問題を解決していく上で最善の方法である。デンマークでは、誰もが団体協約でカバーされている。ブルーカラー労働者の大部分が組合に加入しているが、非正規労働者は組合に入っていない場合が多い。組合は今後も引き続き、未組織労働者に対して組合の良さを広めていく。

ジェンス・オール・ニールソン
(デンマーク、コペンハーゲン空港)

不信に満ちた時代における保安とは
私は、ブリュッセルのDHL貨物仕分けセンターで問題のあった貨物を処理する仕事をしている。16年目になる。26年前に初めて働き出した時からベルギー従業員技術者組合の組合員だ。私の家族も代々組合に加入してきた。使用者から公正な処遇を受けているのか疑わしく思う時、組合に加入することで状況が大きく変わる。国際連帯と国境を越えたコミュニケーションが今ほど重要になったことはない。多国籍企業が大事にするのは労働者ではなく、株主だからだ。
わが組合では、組合員の意識向上キャンペーンを実施している。200人の組合員が数週間前にドイツのライプチヒを訪れた。目下、グローバルな組織化が最も中心的な課題となっている。

コニー・ヴァン・デン・ボッシュ
(ベルギー、ブリュッセル空港)

パイロットのためのより良い協約を目指す交渉
DHLアメリカ・エクスプレスの下請け会社、ABXエアでパイロットをしている。また、チームスター労組第1224支部に加入しており、オハイオ州のウィルミントンというハブ空港を拠点に、ボーイング767の副操縦士を始めて11年になる。
ABXエアへの就職と同時に組合に加入した。その頃、ABXエアはまだエアボーン・フレートと呼ばれていた。私は組合が大好きだ。組合のおかげで私たちは非常に好条件の協約を結ぶことができた。組合はより良い協約を目指して今も継続的に交渉している。チームスター労組の日頃の支援に感謝している。今度は我々の方がDHLの他の下請け会社やグループ企業をチームスターが組織する手伝いをしたいと思っている。
多国籍企業と闘う上で、世界中の労働者が力を合わせることが重要だ。国際連帯こそが異なる国で働く労働者が適正な労働条件を獲得することができるような公正な土壌を築く最善の道である。そしてそれがDHLと労働者の双方に恩恵を与えることになる。チームスター労組による整備士や仕分け作業員の組織化活動を支援していきたい。

ジョエル・チェース
(米オハイオ州ウィルミントン空港、パイロット)

組合はないが、現在組合加入に向け奮闘中
DHLシステムズの貨物輸送会社、ABXエアで航空エンジニアとして働いている。現在はまだ組合に加入していないが、チームスターに入るため努力している。つまり、組織化に取り組んでいるのだ。労働者は団結し、一つであることを示さなければならない。労働者がお互いに意思疎通し、団結すれば、必ず勝つことができる。

トム・ピアンティーニ
(米オハイオ州ウィルミントンの航空整備士)

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インテグレーター行動日の各国の活動

オーストラリア
オーストラリア運輸労組は、屋外で集会を開き、請願書に署名を集めたり、組合員が未組織労働者の組合加入を促したりした。クイーンズランド選出のクレア・ムーア議員は、インテグレーター国際行動日について国会演説の中で言及した。また、職場ではビラが配布された。

カナダ
チームスター労組の組合員は、キャンペーンのポスターを貼り、全国の職場でビラ配りを実施した。11月9日には、組合員が国会議事堂へ行き、国会議員に組合の小冊子を配布した。また組合の活動家が労働問題と輸送問題を担当する議員と会談し、組合が組織化にあたり世界中で直面している困難を訴えた。

フランス
10月17日には、全国に40あるDHLの拠点で24時間ストが実施されたが、これに続き、フランス労働総同盟(CGT)は、2回目のストを11月9日の国際行動日に実施した。ストは賃金制度を大幅に柔軟化させ、不安定化させようとする会社の計画に抗議するために実施された。

ドイツ
ヴェルディは、4大手全てを対象に、ビラ配り、職場集会の開催、請願書への署名集めを実施した。組合員がライプチヒやケルンの輸送ハブ、シュツットガルト、ベルリン、マンハイムにある組合の支部などで行われた活動に参加した。請願書はDHL、Fedex、UPS、TNTの各社の経営陣に渡される予定。

英国
全国のTNTで働く運輸一般労組(T&G)の組合員は行動日に7,500人の労働者を対象とした10%の賃上げという要求提案について投票を行った。T&Gは2006年7月から11月の期間にTNT労働者、1,300人を新たに組織化した。GMB労組はDHLが新たな賃金と条件を提示してきたため、同社との争議を中断した。会社が提示した条件には、組合が組織化やリクルートのために職場に出入りすることに対する許可も含まれる。

香港
運輸関係の労働組織が集まり、香港の新界地区のインテグレーター企業のサービスセンターで働く労働者と話をした。労働者からは、安全衛生、労使関係など様々な問題提起があった。

インド
チェンナイとムンバイで、DHLや他のインテグレーターで働く労働者が職場でビラ配りを実施した。

モロッコ
UMT労組の代表12名がカサブランカのDHL事務所前で20分間、抗議デモを実施。結社の自由と団体交渉権の保護を訴えた。

南アフリカ
11月9日、南アフリカ運輸合同労組(SATAWU)の組合員は、ヨハネスブルクのDHL事務所前で昼食休憩時にピケを張った。時を同じくして、同組合は、外部委託や企業内再編に関する交渉を会社と行った。ポート・エリザベス、ハウテングでもピケが張られた。ケープタウンのDHLデポでは、組合の代表者が経営陣と会い、非正規労働者の雇用の継続とフレックスタイム制度の導入をめぐり交渉した。同組合はまた、TNTの経営側とも会合し、労使関係や企業と組合の関係について話し合った。
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INDEX
承認されざるものを代表して
インフォーマル運輸産業における状況
解体の極限
船舶解体業において進められる人命を守る取り組みについて
全ての女性に勝利を
組合が女性の問題に真剣に取り組むべき理由とは
ドイツ鉄道の将来は保障された
ストレスを抱えながら
民間航空産業労働者の疲労問題
権利を求める闘い、大前進
インテグレーター企業の組織化について
国際運転手の抱える問題
国際運転手救済の新たな動き
待ち望まれること
レバノンの港の新たな出発のために
オルグのこつを伝授
オーストラリアのある組織化担当の活動
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