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グローバルユニオン

2008年4〜6月 第31号
■今月のニュース
 
労働組合権

グアテマラ、港湾労組の指導者殺害の捜査を約束

グアテマラの新大統領は、組合指導者のペドロ・ザモーラが、2007年1月にケッツァル港で銃により殺害された事件の捜査を約束した。
アルバロ・コロン大統領は1月29日、グアテマラ・シティーでITF代表団と面会し、事件の捜査を約束するとともに、事件当時のケッツァル港の経営陣を更迭すると述べた。事件は、ザモーラがケッツァル港の民営化に反対していたことと関連があるとみられている。
大統領との面会は、「グアテマラに特有の犯罪者が無罪放免される慣行や組織的犯罪と闘う中での、あるいは労働者が自由に基本的権利を行使できる環境を築く上での労組の役割」に焦点を当てた、国際労働組合総連合(ITUC)主催の会議の開会式で実現した。
この会議には、中米諸国、米国、欧州から組合活動家150人が参加したほか、米国、ベネズエラ、アルゼンチン、メキシコ、欧州の大使や外交官も参加した。

新大統領の就任
14日前に就任したばかりのコロン大統領は、無罪放免を許さないことを約束するとともに、労働組合の支援を受けながらグアテマラをしっかりとした民主国家に築き上げる決意を表明し、「労働組合の役割は不可欠だ。全ての産業で組合員数を増やそう」と述べた。
ITFのスチュワート・ハワード書記次長は、「ペドロが残虐に殺害されてからちょうど1年後に、何らかの改善を約束する言葉がコロン大統領から発せられたことを、心より歓迎する。われわれは、グアテマラで正義を追及する全ての人々との共闘を約束する」と語った。
ハワード書記次長が率いるITFグアテマラ代表団は、ザモーラの殺害以降、今回で3度目になる。過去2回の代表団派遣は、脅迫されている活動家を守り、ザモーラ事件の政治的性格を暴き、ケッツァル港の労働者の権利を守る上で、大きな役割を果たした。

ITF代表団
ITFがグアテマラに派遣した第3次代表団には、団長のスチュワート・ハワードITF書記次長以下、アントニオ・フリッツITF米州間地域事務所長、ベネズエラのフランシスコ・トレアルバ議員、ザモーラの組合のケッツァル港湾労組(STEPQ)代表が参加した。コロン大統領と会合した際、ITF代表団は、以下のことを要求した:

■ザモーラ殺害の捜査を進展させ、「犯罪者の無罪放免の文化」に終止符を打つこと。ザモーラ殺害の直後から、「殺すぞ」という脅迫を受けているSTEPQ役員の安全を確保すること。
■ケッツァル港の近代化計画を見直し、完全に透明性のあるものにすること。また、見直しのプロセスには、STEPQを参加させること。
■健全な市民社会の構築につながる、より強力な民主主義的諸団体の設立推進運動の一環として、グアテマラにおける労働組合の強化を支援すること。

グアテマラは、労働組合の活動家にとって、世界で最も危険な国の一つだ。汚職、麻薬の密売、マラスと呼ばれる若いギャング集団などの存在が、グアテマラの一般市民の生命を脅かしている。毎年、約6千人が、暴力事件で死亡する。
こうした環境の中、ITFに加盟するSTEPQの書記長が、正体不明のガンマンにより惨殺された。2007年にグアテマラで殺害された組合活動家は、ザモーラだけではない。2月には、フェストリ店員組合のウォルター・アニバル・インカクィック・メンドーザとノーマ・センテ・デ・イクサクィックが、また9月にはバナナ生産労組のマルコ・テュリオ・ラミーレズが殺害された。また、労働センターCUSGの指導者、カルロス・マンシラの自宅が、大晦日に重火器で攻撃されるという事件も起きた。
2008年1月21日には、独立農業労働者組合のゴンザレス・ヴィラトーロ書記長が殺害されている。
ペドロ・ザモーラ殺害事件と、ITFの正義を求めるキャンペーンの、より詳細な情報は、
www.itfglobal.org/campaigns/zamora.cfm を参照のこと。
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バイキング・ライン裁定を歓迎

ITFのデビッド・コックロフト書記長は、ルクセンブルクの欧州最高裁判所(ECJ)で12月11日に出されたバイキング・ライン訴訟の裁定を歓迎し、団体行動権(スト権を含む)が欧州共同体の法律の一般原則にとって、欠かすことのできない基本的権利の1つとして認められた、と指摘した。
彼は、「特にECJ裁定の第43、44、77段落で、労働者保護のための団体行動は正当な利益であり、原則として、移動の自由の制限は正当である、と裁判所が指摘している。“悪魔は細部に宿る”と言うが、英国控訴院がこの指針を、しっかりと本件の裁判に適用させることを期待する。基本的労働組合権を否定した通商裁判所の判決を上訴するには、時間も費用も労力もかかった。しかし、今回の決定で、上訴が正しかったことが証明された」と述べた。
ITFおよびフィンランド船員組合(FSU)とバイキング・ライン社との裁判は、2004年にロンドン通商裁判所のヒアリングで始まったが、ITFはロンドン通商裁判所の判決を不服とし、英国控訴院に上訴していた。
そこからECJに照会され、ECJの決定は控訴院に送り返された。これが適用されて、この争議の最終的な判決が下されることになる。
欧州共同体を制定している条約によって保護される経済的自由と団体行動権(スト権を含む)の関係が、欧州裁判所に問われたケースだった。
この争議は、ヘルシンキ(フィンランド)とタリン(エストニア)間に就航するフィンランド船籍のフェリー、ロゼラ号(乗組員もフィンランド人)をめぐるもので、2003年、船主のバイキング・ライン社が、この船の籍をエストニアに移し、賃金・労働条件の低いエストニア人乗組員を使う計画を発表したことに端を発している。
FSUがこれに抗議し、ITFの支援を受けて争議行為を起こそうとしたところ、バイキング・ライン社が英国の裁判所に訴えたケースである。
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メキシコ航空客室乗務員組合の闘い
総選挙を終えて
オーストラリアの交運労組が、明るい展望を語る
信頼できる交通運輸をめざして
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サルコジ改革に反旗を翻して
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