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2008年4〜6月 第31号
■信頼できる交通運輸をめざして
 
信頼できる交通運輸をめざして
欧州の「信頼」プロジェクト


欧州の交通運輸政策に持続可能性と社会正義を結びつける、労組の戦略を起案するためのプロジェクトの進捗状況を、エドゥアルド・チャガスが報告する。

ITFの欧州地域組織、欧州運輸労連(ETF)は、持続可能な交通運輸の原則を重視している。ETF加盟組織は、この1年間、持続可能な交通運輸を実現させるための戦略を練ってきた。この戦略は、2009年5月に予定されている次回ETF大会の焦点となる、広範囲な計画の基礎となることが期待されている。
この戦略の目標は、格差拡大が懸念されている経済・労働・環境の変革から労働者を守ることにある。また、組合は、経済的・社会的正義のための幅広い闘いを維持しながら、持続可能な交通運輸の自らのビジョンを打ち出そうとしている。
これまでの分析結果によると、楽観の余地は、ほとんどない。1958年の欧州共同市場(EUの前身)設立以来、欧州の共通運輸政策は、自由化と競争政策を軸に、「活力ある社会のため、人と物を早く、安く、効率的に輸送する」ことを目指してきた。ちなみに、最初の欧州交通運輸労組委員会、CSTCEが誕生したのも1958年である。
しかし今日、競争と社会的側面のバランスを取る必要性が、今まで以上に切実になっている。さらに、欧州においては、より競争力があり、より環境にやさしい、よく管理された交通運輸システムを求める声が、変化のスピードを加速させている。持続可能な戦略は、インフラの不備、混雑、公害、社会的な疎外に取り組むための交通運輸システムを求めている。一方、権利や義務をどのように確保するのか、社会的側面の実績をどのように評価するのか、成長をより多くの良質な雇用につなげるにはどうしたらよいのか、等については、あまり明確になっていない。
交通運輸産業は、EUのGDPの7%を占めるとともに、直接雇用の5%(460万人)を創出している。持続可能性を追求するには、市場原理に基づいたアプローチだけでは不十分である。交通運輸政策に新たな方向性を加えるには、社会的側面が考慮されなければならない。
これらの懸念は、EUが資金提供する「信頼(Trust)」プロジェクトの背景にも横たわっている。「信頼(Trust)」とは、持続可能な交通運輸に関する労組のビジョン(Trade union vision on sustareble transport)を意味する。
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「信頼(Trust)」プロジェクト

欧州40カ国の全ての交通運輸部門を組織するETFの加盟組織代表は、この1年間、労働組合の社会的目的と、持続可能な交通運輸を合致させるプロセスの一環として、一連の会議を開催してきた。
特に、彼らは、2000年に採択されたEUリスボン戦略の雇用政策、「より多くの良質な雇用」を重視し、再構築プロセスに対する社会的評価の必要性を強調している。また、組合側は、交通運輸産業における環境問題の社会的影響にも注目している。
初期の調査および情報収集段階を経て、ETFの全ての部会をカバーする、7つの産別ワークショップが開催され、次の4つのテーマに基づく共通課題が論議された。
■ 交通運輸産業の再構築と発展
■ リスボン戦略と交通運輸労働者
■ 交通運輸と環境
■ インフラ資金、国家助成金、国の役割
産別ワークショプの結論は、テーマごとに開催された産別横断的な4つの会議に送られ、共通見解が模索された。
2008年2月26日に予定されている最終会議では、全ての作業が政策文書の形でまとめられ、欧州社会の持続可能な交通運輸政策に対する労組の主張が打ち出される。
詰めの作業は残されているものの、いくつかの暫定的な結論が既に出来上がりつつある。
欧州委員会(EC)は、EU内部の市場と競争のルールが交通運輸にもうまく適用されている、と誇らしげである。しかし、環境パフォーマンスを非難され、グローバルな競争にさらされることもある交通運輸産業特有の問題に対処するには、このアプローチは適切ではない、と組合は考えている。基本的な公共サービスの義務をないがしろにし、労働者代表と意思決定者との対話を公正に保障しようとしないEU政策には、抵抗しなければならない。
高いレベルの社会・環境基準を守ることは、長期的には組合自身にも課題を与えることになる。ETFについて言えば、欠点を克服し、活動の手法や優先順位を見直し、調整能力を強化することが求められている。ロビー活動を強化し、交渉時の発言力を高めることも不可欠だ。
1年半に及ぶこのプロジェクトが終わりを迎えるとき、組合の要求が聞き入れられ、持続可能性に対する組合の提案が実行に移されることを確信できるようにするのが目標だ。
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エドゥアルド・チャガスは、ETFの書記長。
 
 
INDEX
メキシコの反労組の動き
メキシコ航空客室乗務員組合の闘い
総選挙を終えて
オーストラリアの交運労組が、明るい展望を語る
信頼できる交通運輸をめざして
欧州の「信頼」プロジェクト
フランス鉄道労働者の闘争
サルコジ改革に反旗を翻して
ネパール
17周年を迎えるネパール交通運輸労組
海運と温暖化ガス
解説
ザンビアの鉄道労働者
生き残りをかけて
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勤労生活:海難救助
論説:労働組合と気候変動
 
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