国際運輸労連-ITF
メニュー トランスポート インターナショナル バックナンバー
HOME
ITFについて
ITF−所在地
リンク
ITFニュースオンライン
>> 最新号はこちら
その他ITF情報
>> 最新号はこちら
 
国際運輸労連(ITF)機関誌
トランスポート
インターナショナル >>
最新号はこちら
シーフェアラーズ
ブルテン >>
最新号はこちら
 
ITFニュースオンラインバックナンバー
ITFニュースオンラインバックナンバー
東京事務所
〒108-0023
東京都港区芝浦3-2-22
田町交通ビル3階
地図はこちら
TEL:03-3798-2770
FAX:03-3769-4471
mail:mail@itftokyo.org
>> 詳しくはこちら

グローバルユニオン

2004年10〜12月 第17号
■勤労生活
 
路上にて

オチェング・オドゴ

夜が明けると間もなく、デビッド・ムルインギ・ムウェイティは次の長旅のために用意したバッグを手に取り、大型商業トラックと貨物を積み込んだトレーラーの停車場所へと急ぐ。
燃料とエンジンオイルを確認し、エンジンをかけ出発する。行き先は、ウガンダ、ルワンダ、コンゴ共和国、ブルンジ、スーダン南部、ケニア各地、東アフリカなどだ。ドライバーという職業がら、数日間、数週間、時には数ヶ月間家を離れることもある。
「出発の朝は、いつもナイロビから何キロも離れた最初の停車地で朝食を取ることにしている」とムウェイティは言う。
朝食の後も移動は続く。ケニア国境やウガンダ国境を越え、カンパラ、キガーリ、ブジャンブーラやアフリカ西部まで足を伸ばす。
同僚も経験していることだが、国境地帯では出入国手続きに1〜2日ほど時間がかかるため、旅程は遅れがちになる。ばら積み貨物を輸送している場合は、国境を挟む両国の税関で貨物を一つ一つ申請する必要があり、余計に時間がかかる。
最終目的地に到着すると、貨物を積み下ろし、2日程休んだ後、帰路につく。
帰り路もばら積み貨物を各地に輸送するか、あるいは輸送するものが何もなければトレーラーに何も積まずに帰る。
仕事について考え出すと、ムウェイティは幸福と絶望が入り混じった気持ちになる。第一に、特に夜間はそうだが、いつ何時強盗に襲われるか分からない不安がある。あらゆる原始的武器で武装した強盗がトラックを待ち伏せし、路上に先端の鋭利な物体をバラまいてトラックのタイヤをパンクさせる。
「やつらはドライバーと運転助手がタイヤ交換のためにトラックを下りた隙に、攻撃をしかけ、手荷物や輸送中の貨物を奪っていく。これまで何度もそんな目に合った」と27歳のムウェイティは言う。
トラックが故障することもあり、そんな場合は、会社が修理の車をよこす間、停車してじっと待っているしかない。強盗の恰好の標的になってしまう。交通整理を行う警官が検問を口実に道路を封鎖し、強盗を働くこともある。
▲ ページトップへ
乏しい報酬

ケニアでは、路面輸送は最も景気の良い産業分野の一つで、全東アフリカ地域からモンバサ港への貨物輸送を担っている。長時間働くことで路面運輸産業の発展に寄与しているにもかかわらず、ドライバーが受け取る報酬はあまりにも少ないとムウェイティは不平を述べる。
「何百万シリング(1ケニアシリング=1.5円)もの価値のある貨物を輸送しているにもかかわらず、ドライバーがもらう報酬は雀の涙だ。」
一方で、ドライバーの仕事には楽しい面もたくさんある。ムウェイティは1990年に運転助手としてこの業界に入り、1997年にドライバーの訓練を終了した。仕事を通じて他国のドライバーと知り合いになれる点が特に気に入っている。
忙しい仕事の合間の息抜きに、時にはダンスホールに出かけ、異国の音楽を楽しむこともあるが、売春宿には近寄らないようにしている。買春は、長距離トラックドライバーの間では一般的に行われているが、自分自身とセックスワーカーの双方をHIV感染のリスクにさらすことになるからだ。
「これまで多くの知り合いのドライバーが不特定多数の相手との性交渉が原因で命を落としてきた。個人的には、家を離れている間に、何が何でも誰かと性的関係をもちたいとは思わない。」
困難な面もいろいろあるが、性能のいい車と高い給料が支給されるなら、この仕事はとても楽しいものになるだろうとムウェイティは言う。それに、少なくとも地域の発展に有益な貢献をしているという自負がムウェンティにはある。
▲ ページトップへ
オチェング・オドゴはナイロビを拠点に活躍するフリージャーナリスト。
 
 
INDEX
客室乗務員にライセンスを
客室乗務員組合がライセンス制の設立を要求する理由
新統合条約の採択に向けて
国際基準が改善されれば、漁船員の生活も向上するだろう
港湾戦争
欧州港湾の未来をかけた歴史的闘争を終えた港湾労働者は、新たな闘いに挑む心構えがあるか
乗り換えです
オーストラリアの組合の鉄道産業分断化への対応
コールセンターの組織化
コールセンターの組織化が難しい理由
危険!:正体不明の貨物
危険貨物の積載に関わる責任は、交通運輸チェーン全体に課されるべき
知っておこう
航空会社の所有権と経営権
コメント
ヨルダン川西岸地区の労組の苦労
コックロフト書記長、米加盟労組とのより緊密な協力を奨励
一般
 
ニュース
読者の声
保安と労働者の権利について
勤労生活
ナイロビのトラックドライバー
 
mail@itftokyo.org Copyright (C) 2004 International Transport Workers' Federation TOKYO All Rights Reserved.