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グローバルユニオン

2005年1〜3月 第18号
■GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)
 
GRIとは何か?

GRIはここ数年注目を集めている企業の社会的責任(CSR)の1つだが、いくつかの特徴がある。1つは国連のお墨付きを得ていること。これは、GRIが1997年に国連環境計画(UNEP)と「環境責任経済のための連合(CERES)」との合同事業として発足したためだ。その後、2002年にGRIは恒久的な独立組織となった。もう1つの特徴は、GRIが労働組合を含む、マルチ(多様な)ステークホルダー(株主、従業員、取引先、消費者、地域社会など)との対話を原則としていることだ。GRIの報告基準は現在、世界の主要企業だけでなく、政府にも採用されている。
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労働組合との関係は?

GRIは企業に「持続可能性報告書」の作成を奨励している。この報告書は環境だけでなく、経済・環境・社会的パフォーマンスの3要素(これを“トリプル・ボトム・ライン”と呼ぶ)から構成されている。特に社会的パフォーマンスには、企業の人権問題に対する影響や、職場における社会正義、企業の安全衛生活動など、労働組合にとって重要な問題が数多く関係している。企業が報告書の形で情報を公開することで、消費者や取引先はその企業のパフォーマンスを評価できる。
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情報は実際に役立つのか?

GRIは持続可能性報告書について以下のように規定している。
経済、環境、社会的パフォーマンスについてのバランスのとれた合理的な報告書の作成
経年比較を可能とする
組織間比較を可能とする
ステークホルダーが関心を持つ問題への言及
これを測定可能な指標を用いて行う。理論的には、この報告書を見れば、各分野における当該企業のパフォーマンスがいいのか悪いのか、同業他社と比べてどうなのかが分かるようになっている。ちなみに、報告書には全ての企業にあてはまる一般的な部分もあれば、それぞれの業種特性を考慮した部分もある。
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「職場における社会正義」のようなものをどうやって測定するのか?

団体協約にカバーされる従業員数や、独立した労働組合(あるいは「真正な従業員代表組織」)に加入する従業員数などの指標が使われている。特に後者の指標は測定が難しい。「真正な従業員代表組織」が存在すると主張する、反労組的な企業が多数存在するからだ。安全衛生指標は労災死傷者数などが関係する。
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情報は正確か?

企業の社会的責任に関する枠組みのほとんどに言えることだが、GRIも検証体制が弱い。現在、GRIはさまざまな「検証メカニズム」を構築中とのこと。そもそも、企業の情報・データはその信頼性を外部から検証可能な形で公表されなければ意味がない。統計の作業に携わったことのある人なら分かると思うが、同じデータに対する解釈の仕方は無限に存在するからだ。しかし、GRI事務局は企業に求める情報基準に関しては非常に厳格で、社会責任の原則の追求に深くコミットしているように思われる。
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GRIは産業基準のようなものを設立するのか?

しない。GRIが基準や行動規範などを設立することはない。GRIの目的は企業のパフォーマンスやパフォーマンス基準に関する情報を開示させることにある。ただし、開示された情報を見れば、その企業が国際基準を遵守しているかどうかが分かるようになっている。例えば、持続可能性報告書の「ディーセント・ワーク」の項目では、ILOの中核的労働基準への適合性に言及することが求められている。
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なぜ企業はGRIに参加するのか?

2004年初頭現在、380の企業・組織が社会・環境報告書を作成する際にGRIガイドラインを利用している。GRIの対象産業が拡大するにつれ、その数は増えており、多くの企業がステークホルダーとの対話プロセスに引き付けられている。企業がGRIに参加する主な動機は自己防衛だ。取引先や消費者が企業に一定の基準に基づいてパフォーマンスの向上に努めるよう、要求していることを知っているのだ。もう1つの要因は他社との競争だ。このような取り組みには関心を抱かないと思われる企業でさえも、ライバル会社がGRIに参加することで市場競争力をつけてもらっては困るため、自身の参加も決めることになろう。
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ITFや加盟組合との関連は?

いくつかの国際産別組織(GUF)がGRIの作業部会に既に参加している。ITFも最近、交通運輸とロジスティクスに関する作業部会(UPS、DHL、フェデックスなどの企業が参加)に招待された。
GRIは企業行動の情報に関する、マルチ・ステークホルダーとの真の対話プロセスだ。完全な任意制ではあるが、交通運輸やロジスティクス企業のGRIへのコミットメントは、業界におけるグローバルな社会基準の設立を目指す労働組合にとって、非常に意義深いものとなり得る。企業から情報を引き出すことはよいことだ。しかし、GRIの歴史はまだ浅い。結論を出すのはこれからだ。
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参考資料
www.globalreporting.org
 
 
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