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グローバルユニオン

2005年1〜3月 第18号
■コメント
 
上陸を求めて

ブランコ・クルズナリクはスロベニアに立ち寄る船員への差別と闘うキャンペーンを展開している。

2004年7月1日、スロベニア警察庁は海事警察にスロベニアに立ち寄る船員に新たな制約を設けるよう指示した。これは、ILO第108号条約(船員の身分証明書に関する条約)を批准していない国で船員登録し、スロベニアへの入国にビザを必要とする全ての船員を対象とするものだ。お金を払ってビザを申請しなければ彼らの上陸は許可されない。
残念ながら、この制約が設けられてから1ヵ月後に、あるスロベニア人ジャーナリストから聞くまでは、私はそのような指示が出されていたことを知らなかった。私はすぐさま警察庁に書簡を送り、スロベニアは船員の上陸にビザは必要ないと定めたIMOの国際海上交通の簡略化に関する条約(1965年FAL)をすでに批准していると伝えた。また、同条約には、船の停泊中は、外国人船員の上陸は当局により許可されると明記されている。
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無知で馬鹿げた差別

警察庁の代表者と電話で話をしながら、彼らがIMO条約について何一つ知らないことに驚かされた。私はダルコ・アンゼリ警察庁長官から書簡を受け取ったが、そこにはスロベニア政府は現行の政策を変更しなくてはならない国際的義務は負っていないと書かれていた。
もちろん、私はこの意見に同意できない。そこで、オンブズマンとスロベニアのヤネズ・ドルノウジュク大統領に書簡を送り、30以上の関係当局にもEメールを送付した。すると、スロベニアの一般市民やマスコミから支持が寄せられた。その中には、退職した船員のヴィンコ・グルジックの手紙も含まれていた。グルジックは、現役中、20以上の国籍をもつ仲間とともに通信士として働いていた。そのため、国籍や国が発行する文書によって船員を差別することの馬鹿らしさがよく分かっている。
また、スロベニアのコペル港でビザが無いことを理由に自分の船の乗組員が上陸を拒否されたという船長も手厳しい抗議文を送ってきた。誤解がないようにしたいのは、コペル港の管理者も海事産業団体も船員の上陸権を全面的に支持しているということだ。
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一定の前進

8月20日、ついに前向きな反応を得た。スロベニアのマルコ・パヴィリハ運輸大臣は、運輸大臣、内務大臣、外務大臣の三者会合を組織し、私の主張を認め、スロベニアはIMOの国際海上交通の簡略化に関する条約を尊重すべきだとはっきりと述べた。この会議の席上で、コペル港はビザを携帯しない船員にも上陸を許可することが決定された。
警察庁は、海事警察に対する指示内容を変更したが、私には少し期待外れだった。新たな指示により、船員が有効パスポートを所持していれば、ビザを持たなくても上陸が許可されることになった。しかし、有効パスポートを携帯していない場合(例えば、期限切れなど)、ILO108号条約の批准国で船員登録した船員のみ上陸を許される。
ILO108号条約の未批准国の船員にも上陸は許可されるべきだと私は考える。ILO108号条約を批准していない国は多い。私の記憶が正しければ、米国、ドイツ、日本のいずれも未批准だ。実際、同条約を批准しているのは世界のわずか62ヵ国に過ぎない。
ゆえに私のスロベニア警察庁との闘いも続く。ある国がIMOのFAL1965条約に調印しており、船員の身分証明書が条項3−10−1(身分証明書に関する基本的要件)に従っている限り、その船員の身分証明書は有効であり、ILO108号条約は適用されなくなると私は考える。
私はこれまで10年以上、機関士として働いてきた。だから船員にとって上陸することがどれほど重要か分かる。上陸は船員の心身の健康に不可欠だ。
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ブランコ・クルズナリクはスロベニアのITFインスペクター
 
 
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