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2009年1〜3月 第34号 |
■ITFサマースクール |
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組合指導者や活動家は、顔を合わせて意見交換をしたり、相互に学びあったりする機会が必要だ。ITFが1999年からサマースクールを開催しているのは、そのためである。
昨年のサマースクールは、アジア太平洋地域の組合活動家のために、ムンバイ(インド)で開催された。30人以上が参加し、自身の経験を分かち合った。ここに参加者の感想を紹介する。
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交通運輸港湾労組(ムンバイ)
副委員長
D・スブラマニアム
「サマースクールに参加する機会を得て非常に嬉しい。アジア太平洋地域の参加者と港湾労働、特に勤務制度、設備、組織状況、マッピング、組合戦略等について情報を交換した。組織化や女性の権限強化に関する知識が高まった他、グローバル化や国際争議に関する理解が深まった」
未組織の交通運輸労働者や荷役作業員の組織戦略も検討した。オーストラリアの港湾争議とそれに伴う国際連帯はすばらしく、学ぶところが多い。組合加入者にプレゼントを渡すというシンガポールの船員労組の組織戦略も非常に興味深い。これらの戦略を我が組合の組織強化に活用したい。我が組合とITFアジア太平洋地域港湾部会議長のS・R・クルカーニを代表して、ITFに心から感謝する。 |
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オーストラリア交通運輸労組(TWUA)
全国調査員
リチャード・プリースト
サマースクールの参加者は、アジア太平洋地域の組合活動家の仲間達とアイデア、戦略、成功事例、障害等について意見交換し、言語、文化、場所の壁を越えた連帯を築き上げた。
新自由主義経済、貿易のグローバル化、サプライチェーンをコントロールする人たちの戦略が一体となり、世界の労働組合に影響を及ぼしているという認識が高まったことが成果の一つに挙げられる。多くの場合、組合がサプライチェーンの組織化で直面する問題は共通している。アジア太平洋地域の組合がサマースクールという場を借りて、自身の戦略や経験について意見交換し、組織化や能力強化に役立てることができた。
サマースクールを終えた後も、グローバルな視野で組織化を捕らえ、存在感を増すグローバル企業に対峙していこうと思う。労組間の連絡・交流を続けることで、これらの巨大運輸企業に対して、労組がどのように取り組んできたのかを比較することができる。サマースクールへの参加を通じて、他労組の経験から学び、自分のキャンペーン技術を向上させることができた。 |
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ニュージーランド鉄道海運労組(RMTU)オルガナイザー
ニュージーランド労働組合評議会(NZCTU)共同議長
コミット・パセフィカ
グローバル化や新自由主義は、世界的な問題であることを学んだ。国際労働組合運動にとって、未組織の組織化は非常に重要であり、反労組的な使用者や政府に対抗するためには、組合が力をつけることが重要だ。インドやバングラデッシュの組合員が今日、民営化やアウトソーシングの影響を受けていることを知った。最後まであきらめることなく、戦略を練り、運動を継続していけば、望みはあるということを示すために、RMTUが民営化を通じて経験した試行錯誤や試練を他国の仲間に伝えた。
サマースクールに参加したことで、ITFやITFの中にあるさまざまなネットワークについての理解が深まった。これらのネットワークは、我々が既に持っている組合ネットワークを強化するだけでなく、グローバル化や、労働者の権利を引き剥がそうとするグローバル企業と闘う上で、頼りの綱となり得るものだ。
今後、毎週、一定の時間をサマースクールで知り合った仲間とのネットワーキングにあて、彼らの運動に対してRMTUがどのような支援をできるか考えていきたいと思う。 |
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今年のサマースクールは9月に開催予定。詳細は3月以降に発表される。 |
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