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2010年04〜06月 第39号 |
■最前線 |
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ITF加盟組合、客室乗務員の闘争を支援
世界中の航空労組が、最近の労使紛争において、ITFが呼び掛けたイギリスの客室乗務員との連帯に積極的に応え、ブリティッシュ・エアウェイズ(英国、BA)で雇用され、ユナイト(英国)によって代表されている労働者を支援した。
支援メッセージを送ったITF加盟組織は、以下の通り:米国を拠点とするチームスター、オーストラリア運輸労組(TWUA)、ドイツ労組のヴェルディ。さらに、アルゼンチン、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、インド、スペイン各国の労組も、BAの労働者との連帯を表明した。
紛争は、BAの経営者が新たな労働条件を職員に押し付けようとしたことを巡って発生した。労組は、7日間にわたるストライキを決行した。
本稿執筆時点では、まだ、紛争は決着していない。下記のウェブサイトに詳細を掲載。
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ITFが船員の権利のためのセンターを設立
船員組合は、船員のための法律、権利、改善策を立案することを専門とする新しいセンターから恩恵を受けるだろう。
船員の権利のためのセンターは、船員に影響をもたらす法的問題に関する意識を高めるため、弁護士、学者、業界の代表とITFが協力する場である。同センターでは、弁護士の専門知識を深め、船員にガイダンスを提供する。同センターは、また、労組のキャンペーンや代表活動を強化・支援し、船員の効果的な保護と利益擁護を推進する。
同センターはユニークな取り組みであり、国際的な海事産業において、必要とされる豊富な資源を提供する。国際海上交易法規は、海運業や他の利益団体によって広く資金が提供されており、船員の懸念は見過ごされかねない。同センターは、均衡を取り戻することを目指し、卓越した研究拠点として設立される。
同センターの事務局長であるディアドレ・フィッツパトリックは、「船員は、陸上労働者が受ける法的保護が受けられないので、隙間からこぼれ落ちている。移動労働者として、様々な国の管轄内で、または国境を横断する形で働いているので、異なった法の適用を受けることになる。従って、当該法律を適用すべきか、執行すべきか、不明な場合もある。これは、船員を、不当な処遇、搾取、虐待、不正な行為を受けやすい立場に置くことを意味する。このセンターの設立は、そんな状況を変える意欲的な取り組みである」と述べた。
同センターは、「世界船員の日」である2010年9月23日に開所する予定である。設立初期段階において、ITFの慈善団体である船員トラストが助成金を提供し、ITF本部(ロンドン)を拠点とする。 |
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交通運輸労働者、女性労働者の組織化に新たな決意
ITF加盟組織の女性組合員が、労組を強化し、労働者が直面する地球規模の課題と闘うため、2月にロンドンに結集した。
この会議に出席したITF女性交通運輸労働者コーディネーターのアリソン・マクガリーは、「女性交通運輸労働者は、組合員であることの恩恵を未だに享受していない、世界の女性交通運輸労働者を組織するため、一層努力する決意を新たにした」と述べた。
女性交通運輸労働者の組織化を目的とするキャンペーンが、ITF女性交通運輸労働者会議で、主要な戦略として浮上した。これは、世界的な課題である失業、貧困、気候変動に取り組むために必要な、強い労組を構築することを意味する。
参加した220名の女性参加者が、この問題への取り組みを表明した。この会議で、港湾、格安航空会社、バス、鉄道、旅行業の各部門で活動している、オルガナイザーから意見を聞いた。
女性委員会は、向こう4年間の活動の優先事項について合意した。
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交通運輸労組は、男女平等計画を実施する。 |
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労組の影響力とパワーを拡大するため、コールセンターなどの「新しい」職域の青年労働者、インフォーマル労働者、戦略的女性労働者を組織する。 |
女性委員会は、また、職場キャンペーンおよび労組/地域社会とのアライアンスを主導する女性労組指導者を育成することにも焦点を合わせた。これによって、気候変動、エイズ、アクセス可能な公共交通輸送の不足など、経済・社会的課題と闘う持続可能な交通輸送キャンペーンを展開する労組のジェンダー能力を育成する。
ITFは、団体交渉を強化し、性別職域分離に挑み、搾取・差別と闘うことによって労組の権利を守るため、今後も組織化に取り組んでいくことを、改めて決意した。 |
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北欧の労組、ソーシャルダンピングと闘う
デンマークの労組が、ソーシャルダンピングおよび外国人労働者に対する差別と闘う画期的な労働協約交渉を行った。
ITF加盟のデンマーク労組「3F」は、使用者側代表のデンマーク産業連盟(DI)と労働協約を締結した。妥結内容は、デンマークの労働者より海外の労働者の賃金が低いと労組が確信したときは、給与明細書やその他の情報にアクセスする権利を職場代表に付与するという点で、ユニークなものとなっている。この新条項は、交通運輸部門の大半の労働協約(CBA)に盛り込まれる見込みである。
さらに、DIの加盟企業が、請負業者を利用する場合は、労組に通知することも定められた。これにより労組は、CBAの執行を担保し、必要であれば請負業者に対して争議を起こすことができる。本条項は、デンマークの請負業者だけでなく、デンマークに進出している海外法人にも適用される。
一方、ノルウェーの労組は、同国のオフショア部門で増加傾向にあるソーシャルダンピングが、同国の船員に壊滅的な影響をもたらしていることに警鐘を鳴らした。
ノルウェー海事職員協会(NMOA)、ノルウェー海事機関士組合(NUME)、ノルウェー船員組合(NSU)が提案した決議案は、ITFとその加盟組織に、ソーシャルダンピングに対して行動を起こすよう求めた。ドイツ・ベルリンで開催されたITF船員・港湾合同の公正慣行委員会(FPC)に出席した船員・港湾労組は、ソーシャルダンピングと闘っているノルウェー労組への支援を約束した。 |
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