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2010年04〜06月 第39号 |
■組合がHIVとの闘いで世界の指導者たちにロビー活動を展開 |
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労組が、HIVとの闘いで世界の指導者たちにロビー活動を展開
「ITFの加盟組合は、国際レベルで貢献できる」
シド・アシフ・アルタフ医師
労働者は、HIV/エイズが初めて確認されたときから、それとの闘いの最前線に立ってきた。昨年、1日当たり7,400人が新たにHIVに感染し、その大多数が労働年齢である。交通運輸労働者は、その仕事の性質上、高い危険要素に晒されている。このことからITFは、エイズに対する啓蒙・支援活動に積極的に取り組んできた。
そこで、ITFは、加盟組合に対して、6月にカナダで開催予定の主要8カ国首脳会議(G8サミット)、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に向けた国際キャンペーンをサポートするように求めた。
2005年のG8サミットでは、2010年までに、支援を必要とする全ての人々に対して、HIV予防、治療、ケア、支援のアクセスを確保する(普遍的なアクセス)ことが確約された。950万人の半数以上が、命を救う抗レトロウイルス薬へのアクセスを持たず、数百万人がHIV予防サービスを受けることができない現状にあっては、死活問題である。最終期限が過ぎても、その決意は持続されなければならない。
昨年、国際経済協力に関する第一フォーラムとしてのG8の地位は、G20に引き継がれた。
カナダ労働会議(CLC)と、国際労働組合連合(ITUC)のアフリカ地域組織であるITUC−アフリカは、G8およびG20に普遍的なアクセスの公約を遵守するよう求めるキャンペーンを展開した。我々は、G20に対して、G8が過去に表明した公約、特に普遍的なアクセスを守ることに関して責任を負うよう、求めた。
キャンペーンには、ITUC、GUFs、並びに約20カ国に及ぶアフリカの国々のナショナルセンターが参加し、さらに米国、アジア、欧州諸国の労組も加わり拡大している。労働運動は、4月のG8開発大臣会合に向けて、「行動の日」を計画し、このキャンペーンは6月まで継続した。
今年の労組のG8、G20指導者に対すHIV/エイズに関するメッセージは明解だ:
普遍的なアクセスの公約を復活するための期限・資源計画を示して欲しい。
ITFの加盟組合は、その組合員に対して自らの名前をキャンペーンのインターネット上の請願書(e-Petition)に加え、カナダの首相や世界のカナダ大使館・領事館をターゲットとする、その他の活動に関する詳細が記載されたキャンペーンツールキットのコピーをダウンロードすることによって、「行動日」を支援するよう促している。
G8とG20に公約を履行するよう圧力をかけ続けることは、労組活動家が理解できるもう一つの理由で重要である。組合員は、一旦、相手側が約束から後退し始めると、適正労働のようなILO雇用協定、および労働者がG8、G20に要求する気候変動に関する進展を含め、協定全体もほころび始めるのは時間の問題であることを知っている。
この問題で行動を起こすために、できることは以下の通りである。
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カナダ労働会議(CLC)行動センターのウェヴサイトにアクセスする。
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自国のナショナルセンターに、このキャンペーンに参加しているかどうかを問い合わせる。 |
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G8/G20の指導者に、HIV/エイズについての公約を守ることを要請するインターネット上での請願に自分の声を加える。
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本稿の寄稿者は、シド・アシフ・アルタフ(ITFのHIV/エイズコーディネーター)およびロバートE.ラブレス(カナダ労働会議(CLC)のG8HIV/エイズキャンペーンのアドバイザー)。 |
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職場におけるHIV
HIV感染予防計画を支援する団体が、労組を解決策の一部とみなすまでに、各国で何年にも及ぶ集中的なロビー活動の展開があった。変化をもたらした理由の一つは、二重労働戦略であったことである。つまり、国際レベルでは大胆な支援目標を追求し、各国レベルでは、エイズに対する意識を高め、労組の能力を強化し、使用者とのアライアンスを構築する。さらにHIV予防を目的とする職場計画の拡充を中心に運動を展開したことである。
職場でのHIV予防は、HIV感染予防自体の優先順位が低いことから、各国レベルの優先度は低いままとなっている。しかし、職場でのHIV予防をないがしろにしておくことは、悪しき政策のなにものでもない。新たなHIV感染を防ぐことは、エイズの世界的な蔓延を食い止めるためには、唯一の長期的かつ持続可能な手段だからだ。
ITF加盟組合は、この問題に対して、非常に革新的な共同活動を実施している。 |
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