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2011年1〜3月 第41号 |
■五里霧中 |
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五里霧中:中国船員労組との関係構築
ITF、中国船員労組との合同作業部会で関係構築に向け画期的な一歩
ITFは2010年7月、北京で開催された中国海員工会(CSCU)および中華全国総工会(ACFTU)との合同作業部会に参加し、成功裏に終了した。中国との初の合同行事として、画期的な一歩となった。
中国労組の位置付けは、グローバル・ユニオン・グループ間でもまとまってはいない。ACFTU「公式」労組の関与を望むものから、独立系労組とのみ接触するというものまで、多岐に渡る。ITF加盟組織は、2006年のダーバンにおける世界大会で、建設的関与モデルを決議した。ITF加盟組合は、中国所有の内航・外航船隊で働く多くの船員と共通の基盤を構築し、連帯を深めることに意欲的である。世界の数千人もの船員が中国の港湾を通過しており、その港湾のいくつかは世界的にも大規模なものである。
ILO海事労働条約(MLC)を促進するために開かれた7月の作業部会では、高いレベルの討議が行われた。中国の各省から集まったCSCUの代表や、中国遠洋運輸(集団)公司(COSCO)、中国長航(CSC)、中国海運(集団)総公司をはじめとする海運会社、さらに中国管海官庁も参加した。主要議題は次の通り:労働条件の改善、世界の船員の支援、港湾で船員に提供される福利施設の重要性、海賊問題、船員の犯罪者扱い。ITFの講演者は、船員の労働条件に関する入港国管理(PSC)を効果的に実施することは、MLCを適正に実施するために重要だ、と強調した。中国の講演者、CSCUのリンクイン副委員長も次のように述べ、ITFのメッセージを補完した。
「社会全体に対する船員の貢献を、もっとよく理解する必要がある。経済の拡大に伴い、船員は発展の果実を享受すべきだ。MLCは、船員の権利に共通の基盤を提供する点で重要である。業界の国際化は、統一した労働基準の整備が必要であることを意味する」
またリンクイン副委員長は、MLCの48の条項が三者協議と団体交渉について言及している点を指摘し、これは組合にとって重要な法的基盤と制度保証を成すものだ、と述べた。
中国船主協会のリー・シャンミンも、MLCに対応するために締結された国レベルの船員団体協約の重要性に同調し、次のように述べた。「(MLCは)船員の合法的権利を守るための重要なステップとなり、持続可能な発展と船員の利益やニーズ、権利に基づく健全な労働関係を構築するものだ」 |
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海運とグローバル・エコノミー
中国交通部安全監督局のディレクター、リー・エンホンのスポークスマンは、中国における輸出の93パーセントを担う海運業の中国経済にとっての重要性を指摘し、高度成長のけん引役であり、政府も船員を最も重視している、と強調した。また、海運業界における社会的対話およびIMOとILO、両条約の履行に対する当局の決意について力説した。 |
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