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2011年1〜3月 第41号 |
■いかに我々は成し遂げたか… |
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職場のエイズ偏見に挑む
ケニア港湾局の労働者、HIVエイズ教育政策の成果で恩恵
ケニアのモンバサで、元港湾労働者のフランシス・ルワがHIVに感染してから、約10年になる。ルワが、それを職場で告げたとき、驚くような影響があった。
ルワは、ケニア港湾労組の実地指導員プログラムを主導し、労使合同チームと緊密に協力しながら、HIVエイズに関する包括的な政策の立案に貢献した。ルワは当初、職場で自分がエイズ患者であると打ち明けることに不安を感じたが、組合の支援を受け、教育活動部門に異動となり、港湾管理局から賃金が支給されるようになった。
ルワが自らの病について公言すると、エイズ患者であることを告白する労働者が続いた。エイズ検査を受ける労働者が増え、HIV検査の判定を知ることができるようになった。
労組と使用者がこの政策を開始したのは2009年だが、現実に影響をもたらしたのは、それ以降に実施された活動だった。
組合と使用者は、政策を実践的な活動プログラムに発展させた。例えば、組合には現在、200人超の同輩教育者がいる。職場は区画化され、教育者が区画ごとに付き、進行中のHIVの啓蒙活動を行う。
ITFは、ケニアでの活動の成果を確認し、HIVエイズ啓蒙のための新たなアプローチを試してみることを決定した。2009年夏、専門家チームが職場体験談ワークショップを指揮するため、モンバサに向かった。HIVエイズにまつわるストーリーを話す参加者を募り、その反響は大きく広がった。
ワークショップは大きな成功を収め、その結果、組合の勢いは加速している。組合の活動と活動家としてのルワの貢献によって、労働者は包括的かつ確固としたHIVエイズ政策から恩恵を受けることができるようになった。以前、組合員のためのHIVエイズ教育活動は、組合や使用者によって適宜実施されていたが、組織も計画も整っていなかった。労使共同アプローチによって、職場におけるエイズ偏見の克服に役立ち、この問題に正面から向き合えるようになった。 |
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60秒ガイド
HIVエイズ問題で使用者と連携
ケニア港湾労組は、使用者と非常に生産的な関係を構築することができた。ITFは、HIVエイズ活動について使用者に積極的に働きかけるよう、他の加盟組織に促している。そうでなければ使用者は労働者抜きで事を進め、悪くすると何の手も打たないということになる。
政策は棚ざらしのビラとなってはならず、日々の活動の一部でなければならない。使用者を味方に取り込んだら、政策を計画に発展させることが重要だ。役割を担うことに関心を持っている組合員を特定する。個人的にHIVの影響を受けている労働者でもいいし、そうでなくてもいい。同輩教育が主要なツールとなり、使用者主導のアプローチより効果を生む公算が大きい。
あらゆる政策の立案と実行に、HIV陽性の労働者を参加させること。これによって政策の勝算が高まり、必要な人たちに届きやすくなる。 |
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