2011年1〜3月 第41号 |
■紹介 |
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オーストラリア交通運輸労組(TWU)
交通運輸労組は近年、目覚ましい進歩を遂げている。
リチャード・プリースト記
TWUは、職場と強いつながりを持ち、一般組合員が主導権を握る戦闘的なキャンペーンを行う労組である。労働者のための社会的変革や正義という観点では、地域社会のリーダーでもある。
TWUは、航空、石油、廃棄物管理、ガス、路面交通、乗用車、貨物ロジスティクスの労働者を代表している。
職場における影響力とオーストラリアの地域社会を通じて、大方の使用者と建設的な対話を行っている。しかし、交通運輸労働者が無視されれば、迷うことなく迅速かつ断固たる抗議行動を取り、公正で安全な、差別のない職場を求めるキャンペーンを実施する。 |
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我々の課題
他の多くの組合同様、行き過ぎたパートタイムへの切り替えや、交通運輸業界で働く労働者の権利、労働条件、安全をなし崩しにする代替的な雇用取決めと闘っている。
我々の課題は、業界に変革をもたらすため、重要な問題をテーマに掲げることによって効果的に交通運輸労働者を結束させ、その結束力によって力の不均衡を排除することである。
他の課題は、何ら変わらない。他労組の組合員と連携し、彼らの方向性や経験を共有して、そのアイデアを我々の行動に取り入れることである。 |
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我々の成果
TWUは、2006年に新労使関係法「ワークチョイス」(従業員の基本的権利、組合の承認、団体交渉権を制限する)が施行されて以来、組合員数を大きく伸ばした数少ない労組の1つである。これは、搾取的な法律と産業政策から労働者を守る、強固な職域組織とネットワークの賜物である。
我々は最近、大型車両事故と賃金との間に関連性があることを、連邦政府に認めさせることができた。「安全賃金」と呼ばれるこのキャンペーンの目的は、ドライバーをスピード違反や労働安全法違反に駆り立てる要因を解消し、労働条件やドライバーに課している重圧について依頼主に責任を持たせることにより、業界全体に変革をもたらそうというものである。
航空業界では最近、航空会社におけるジェンダー差別撤廃に取り組むキャンペーンを主導した。TWUの組合員8人が、女性であるというだけで解雇された。TWUは、彼女達を復職させることができた。そして、職場における差別は、いかなる形態であれ受け入れられない、との明確なメッセージを使用者に伝えた。
TWUは、ご都合主義の契約方針を取ろうとする使用者を相手取り、未払い・滞納賃金について訴訟を起こし、毎年100万ドル超を取り戻している。 |
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TWUとITF
我々は、ITFとともに実施している取り組みを、非常に誇らしく思う。世界の労働者を不当に扱う多国籍企業を標的にして、世界の労働者に国際連帯を提供している。
アジアの国々におけるオーストラリア企業のプレゼンスが高まるにつれ、我々は今後も、国内のみならず、地域全体の労働条件向上のために闘い続ける。
オーストラリア海事組合(MUA)、鉄道・路面電車・バス労働組合(RTBU)などの労組と協力し、反労組的な暴力に対して国際的な行動を展開している。
ITFを通じて、オーストラリア全域の他の労組と連携を拡大してきた。最近も、オーストラリアで航空労組の指導者会議が開かれ、新たな連携を構築し、海運業界における国際連帯から学び得る事項を検討し、組合員の利益を守るために協力し合える施策を打ち立てることができた。
拡大し続ける企業が、労働者の労働条件と権利を縮小するために巧妙な方法を見出そうとする中、労働者と組合が国内・外で一致団結することの重要性は、これまでにも増して高まっている。 |
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リチャード・プリーストはTWUの全国キャンペーン・コーディネーター兼調査リーダー |
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要約
オーストラリア交通運輸労組(TWU)
本部:オーストラリア、シドニー
書記長:トニー・シェルドン
組合員数:90,000人
女性組合員の比率:2.6% |
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