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グローバルユニオン
No.28/2014
■雇用
 
雇用契約

配乗代理業者

ILO海上労働条約は、民間の配乗代理業者は規制されなければならないとし、船員に雇用機会提供のための手数料を課すことや、賃金からの違法な控除を行うこと、船員のブラックリストを作成することを禁止している。また、船舶所有者は、利用する配乗代理業者がこれらの要件に適合することを確保しなければならないとしている。配乗代理業者に関して、問題に直面した場合は、ITFにメールで連絡を。

契約書にサインする前に

雇用契約に関するITFのアドバイス

ITFが承認する団体協約に準拠した雇用契約なら、ほぼ間違いなく適切な労働条件を保障される。
そうでない場合は、次の項目をチェックしてみよう。

必ず文書による契約を交わしてから就労すること。
白紙の契約書、または内容が具体的ではない、もしくは聞き慣れない条件を含んでいる契約書には絶対にサインしないこと。
契約にサインする前に、団体交渉協約についての記述があるかを確認すること。もしあれば、その条件について完全に理解し、写しを取って契約書と共に保管しておくこと。
契約の有効期限が明示してあるかを確認すること。
船主の一方的な意思で雇用期間を変更できる内容を含んだ契約書にはサインしないこと。雇用期間のいかなる変更も双方の合意に基づいて行われるべきである。
基本給および基本労働時間(例えば、週40時間、44時間、48時間など)が契約に明示されているか常に確認すること。国際労働機関(ILO)が規定する基本労働時間は最長週48時間(月208時間)である。
時間外労働の補償の額と支給方法が契約に明示されているか確認すること。基本労働時間を超過した場合に支払われる一律の時給の場合と、時間外手当として毎月支給される一定額の場合とがある。いずれにしても、規定内の残業時間を超えた場合の時間給は、明確に規定されなければならない。ILOの規定では、時間外手当は最低「1.25×通常の時間給」で計算すべきである、とされている。
1ヶ月に取得できる有給休暇の日数が明示されているか確認すること。ILOの規定では、有給休暇は年間30日(月2.5日)を下回らないこととされている。
賃金、時間外手当、有給休暇がそれぞれ別項目に分かれて規定されているか確認すること。
上下船の費用の一部を船員に負担させる内容を含む契約書には絶対にサインをしないこと。
契約期間中、船主が賃金の一部を留保できる内容を含む契約書にはサインしないこと。船員は毎月末にその月の給料全額を受け取る権利を有する。
個々の労働契約には各種手当が必ずしも詳細に明示されているわけではないので、以下の場合にどれだけ補償金が支払われるかを確認しておく必要がある。(書面の契約書か、契約上の権利として認めさせるのが望ましい。)
・契約期間中の疾病、障害
・死亡(近親者への補償額)
・船舶の喪失
・船舶の喪失による私物の喪失
・契約満了前の解雇
労働者が自ら選択する労働組合への加入、連絡、相談もしくは組合の代表となることを禁じる条項を含む契約書にはサインしないこと。
契約書は、サインした後、必ず写しをもらい、保管すること。
契約解除の条件(契約を解除するには何カ月前に本人に通告しなければならないか等)を確認すること
自らの意思で締結した労働条件、契約書、協約は、条件の如何に関わらず、ほとんどの司法権の下において、法的拘束力を持つことを認識しておくこと。

あなたの船にITF協約が締結されているかどうかを確認するには、ITFのホームページ へ( 「Look Up a Ship」をクリック)。

携帯電話やタブレット用アプリのダウンロードはwww.itfseafarer-apps.orgへ。
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争議行為を起こす前に

これを読んでください!

ITFは、便宜置籍船に乗り組む船員が、正当な賃金と適正な団体協約の適用を受けられるよう、支援を約束しています。

時には船員が、現地の裁判所に提訴しなければならないこともあります。場合によっては、船舶に対するボイコットも必要です。どのような手段が適切かは、国または場所によっても異なります。ある国では適切な行動が、他の国においては全く不適切なこともあります。

最初に取るべき行動は、先ず、現地のITF代表に連絡することです。連絡先を参考にしてください。何らかの行動を取る前に、現地の助言を必ず得てください。

一部の国においては、船舶の乗組員によるストライキが、違法行為となることもあります。そのような場合には、現地のITF加盟組合の代表が状況を説明します。

多くの国において、労使紛争での勝利の鍵を握るのはストライキです。この場合にも、現地の助言に基づいて行動する必要があることは言うまでもありません。多くの国で、船員には、航行中を除き、入港中のストライキ権が法律上、認められています。

あらゆるストライキにおいて重要なことは、規律と安全を守り、団結を維持することです。多くの国で、ストライキ権は基本的人権の一部として、法律あるいは憲法により保障されています。

どのような行動を選択するにせよ、事前に現地のITF代表に連絡することを決して忘れないでください。お互いに協力することによって、正義と基本的権利の闘いに勝利することができるのです。
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海難事故

あなたの船が海難事故に巻き込まれた場合、船主、港湾当局、沿岸国、旗国、あるいは出身国による公正な処遇を確保するための国際的なガイドラインが存在することを知っておこう。このガイドラインに基づくあなたの権利を理解しておくことが重要だ。

あなたには弁護士を呼ぶ権利がある。質問に答えたり、供述を行ったりする前に、弁護士を要求すること。あなたの回答や供述が、将来の法的手続きにおいて、あなたに不利な材料として利用される可能性があるからだ。
言われたことを理解できない場合は、質問の中止を求めること。使われている言語に問題がある場合は通訳を要求すること。
会社はあなたを支援する義務がある。会社に連絡をとること。それが難しい場合は、組合に助言と支援を求めること。

詳しくは、www.itfglobal.org/fairtreatmentへ。
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うますぎる話

船で働きたい?技能は求められない?1ヵ月間に何千ドルも?もちろん、引き受けるだろう。誰が断るだろうか?このような素晴らしい仕事をオファーするために、なぜ、突然あなたにEメールを送る必要があったのかを考えてみよう。ITFの出版・編集責任者、サム・ドーソンが、船員応募の詐欺に注意するよう警告する。

「雇用主の英国シェブロンまたはシェブロン・ナイジェリア社に代わって、グッドジョブ・コンサルタントが貴方に契約書を送付します。この契約書が本物であることは保証します。応募申請が断られるのを防ぐために、私の身元は内緒にしておいてください。シェブロン社はできるだけ早い契約を望んでいます。至急!至急!至急お返事をお願いします」

これは、ITFが疑わしい求人情報を調べていく上で出くわした手紙の一つである。この手紙をITFに送った人物は、所持金を全て失うのを防ぐことができた。ほとんどのケースがそうなるのだが、2005年のケースは手遅れとなった。「今はITFの警告を目にするが、紹介された仕事の手数料として既に750ユーロを送ってしまっていた」
この応募者は所持金を失った。乗船を希望した船は実在しなかった。募集代理店も存在しなかった。代理店の住所には、実際にはぺットショップがあった。幸い、ナイジェリア政府から労働許可を取るためにさらに必要と言われた2,500ドルの送金は阻止することができた。
典型的なパターンだ。一旦、詐欺師に払い込むと、要求は決して止まらない。登録費用を送金すれば、ビザの費用も送金しろと言ってくる。そのためのお金をかき集めると、次は航空券代を要求してくる。次は健診費、次は斡旋手数料。この最後の支払いをしなければ、これまでに払った分を全て失うことになるとの警告が常について回る。より貧しく、より必死になる人が、ターゲットになりやすい。
詐欺師はめったに起訴されない。彼らのリスクは低く、費用はわずかなものである。フリー・メール・アカウトやいかさまのウェブサイトを使い、現地の警察に賄賂をばらまいているようだ。正体がばれれば、また別のいかさま代理店を立ち上げるか、別のいんちきウェブサイトを開設するだけだ。

常識
幸い、彼らには一つの弱点がある。常識だ。オファーされた仕事がうますぎる話のように思われたなら、それはほぼ間違いなく詐欺だ。船員の職業紹介の費用は決して送ってはいけない。そんなことはあり得ないからだ。複数の国際海事条約が、仕事を見つけるのと引き換えに船員に料金を課すことを禁止している。すばらしい高給の仕事への応募者を募るために、Eメールを無作為に送りつけることはあり得ない。
海運会社あるいは人材派遣会社のウェブサイトを通じて提供される「仕事」も、同様に警戒する必要がある。詐欺師は、本物のウェブサイトを執拗に複製し(「詐欺を避けるためのアドバイス」すら切り張りして)、ウェスタン・ユニオンやマネー・グラムで「一回限り」の料金を送金するよう求めてくる。
また、本物ではあるが、使用料無料のウェブサイトに、偽の仕事を張り出すこともある。
いずれにしても、本物の会社がなぜ金銭を要求するのかを考えてみる必要がある。なぜ、クルーズ会社が最初の月給を航空券代の支払いに充てる必要があるのだろうか?なぜ、国際的な代理店がビザ取得費用を電信送金で支払うよう突然要求するのだろうか?(実際のビザ要件は、政府のウェブサイトや大使館を通じて簡単に調べられる。)
現在、詐欺の多くがナイジェリアに関連しているが、ガーナやマレーシアに関連しているものもある。東欧関連も増えている。しかし、巧妙に組織された詐欺は、例えば、ナイジェリアから行われていたとしても(750ユーロを騙し取られた船員のケースなど)、英国あるいは米国、オーストラリア、カナダ等を拠点とする本物の会社と主張するので、注意が必要だ。

詐欺を見抜く
詐欺を見抜くにはどうしたらよいか?詐欺師は最も無慈悲で道徳心のない集団ではあろうが、最も賢い集団であるとは限らない。仕事に応募する前にできる最も簡単なことは、グーグルで会社の名前を検索し、「詐欺」、「不正」、「警告」などの言葉を順に加えていくことだ。他の人に問合せたり、船の詳細を調べたり、アドバイスや情報を提供するフォーラムやウェブサイトをチェックしたりてもよい。(この頁の下部を参照のこと。)偽の職業紹介に共通する特徴は次の通り。
金銭の要求(内容は無関係)
銀行口座の詳細を要求。教えてしまうと、口座は空になる。
履歴書を送料無料で返送できる。特に、パスポートや資格証書などの写しも求められる場合は、詐欺の可能性が高い。
70で始まる電話番号。英国を拠点とする企業の電話番号が、+4470または+44(0)70で始まることはない。これは海外転送電話である。例えば、+447024021763は、6つの詐欺に関連している。
無料通話の電話番号。かけた電話に割増の通話料を支払わされるかもしれない。
携帯電話番号。特に事務所の連絡先が携帯電話番号の場合
無料のEメールアドレス(gmail、globomail、Yahooなど)
スペルや文法が不正確な文章
最近開設されたウェブサイト。詐欺師は信頼できる会社のサイトに見せかけたサイトを定期的に開設している。本物のサイトを見つけ、警告文を探す。疑わしい場合は本物の会社に問い合わせる。

これらの危険な兆候は、あなたに警鐘を鳴らしているはずだ。しかし結局のところ、話はもっと簡単だ。黄金律は何ら変わっていない。うますぎる話は通常、詐欺である。
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参考サイト

うますぎる話のように思えたら
www.itfseafarers.org/job_scams.cfm

詐欺の兆候を見逃すな
www.scam-job-emails.tk

怪しい会社、詐欺について話し合うためのフォーラム
www.fraudwatchers.org

既に知られている詐欺「会社」のリスト(ただし、正体がばれるとすぐに改名するので要注意)
www.cruiselinesjobs.com/cruise-ship-jobs-scam

英国リクルート業界詐欺対策フォーラム
www.safer-jobs.com

英国の全国詐欺行為報告センター
www.actionfraud.police.uk

詐欺師が使う電話番号について
www.scammmertelephonenumbers.blogspot.co.uk
www.fraudwatchers.org/forums/view.php?pg=fw_personal_nos

ITFの船舶検索アプリ
www.itfseafarers.org/seafarer-apps.cfm
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