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No.28/2014 |
■労働組合 |
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労働組合:なぜ加入が必要なのか?
何か問題に巻き込まれた時、組合は明らかにあなた個人を守ることができ、あなたの給料や諸条件を改善することができる。全ての労働者が一緒に組合に加入することによって、比較的強い立場にある労働者が交渉力の弱い労働者を支援できるため、組合は全員をはしごの上に引き上げることができる。
あなたのために立ち上がる
自分に落ち度がないのに問題に巻き込まれた時、あなたは助けを必要とするかもしれない。担当職員との争いで不当な懲罰を受けるかもしれないし、雇用者の怠慢で事故に遭うかもしれない。このような場合、法的救済策を得るための財政援助やその他の援助を含め、労働組合は欠くことのできない支援を提供するライフラインになり得る。
また、労働組合は、職場の組合員に影響を与える法律制定を促進するキャンペーンを続け、政治家に働きかけている。
国際的な影響力
ITFは国際的な話し合いの場で、船員を代表して極めて重要な役割を果たしている。船員がどのように働くのかを規定する条約や法律を実際に決定する、国際海事機関(IMO)や国際労働機関(ILO)のような国際機関に影響を及ぼしている。たとえば海賊行為のような危機が国際社会の行動を必要とする際には、船員の意見がきちんと取り上げられるように担保している。また、労使紛争中の加盟組合がお互いに連帯を示すことができるように加盟組合の連帯行動を調整している。
しかし、連帯は国際的な連盟によってだけ実践されるのではなく、すべての労働組合が自らの機能を果たすための極めて重要な要素となる。同様に、個々の労働組合によって、また共同して行われる政治的な課題の重要性が強調されすぎるということはない。
政府に立ち向かう
英国のITF加盟組合の一つである鉄道・海事・運輸労働者全国組合(RMT)は、スコットランドの本土からヘブリディーズ諸島まで運航するフェリーで働く船員を組織しているが、別のITF加盟組合、ノーチラス・インターナショナルとともに、フェリー・サービスに競争入札を導入しようとする政府の試みにうち勝つことができた。この政府の試みは、既存のサービス・ネットワークを解体し、年金の権利を含む雇用条件にも打撃を与えるものである。
RMTはスト権投票を指令し、ノーチラス・インターナショナルとともに民営化プロセスに反対すべく政治家に対する働きかけを行った。
スコットランド労働組合会議とその加盟組合がスコットランド議会へのロビイングを行った。猛烈な圧力により、スコットランド政府は給与・諸条件の削減を通じ、年金の確保と貯蓄の保護措置を取ることに合意した。その結果、民間部門の関心が消え、既存の政府所有のカレドニアン・マックブライン社が契約を勝ち取った。
ごく最近、さらにフェリー・サービスを見直す中で、スコットランド政府は、新たなトン数制度の中で投下資本を確保するためには、国が運航する航路の一部を民間部門に引き継がなければならないかもしれないと公表した。今回は、RMTとノーチラス・インターナショナルが依頼して政府に提出した専門調査により、この部分的民営化は誤った選択であることを明確に立証した。民間部門が投資に見合った利益を得る上で有利なわけでもなく、既存の公共部門の運航者から運航責任を移管することにより、安全が損なわれるかもしれないことが証明された。
このような運動展開のテクニックは、数の力で労働組合員の利益を守るために活用することはできても、個人が活用することは不可能かもしれない。しかし、職場で労働組合から力強い支援を受けているということにより、賃金や諸条件だけでなく、フェリー・サービスをいかに系統立て、どのような雇用主のもとで働くかなどを含め、あらゆる面で大きな変化がもたらされ得る。
すべての労働者の代弁者
何か問題に巻き込まれた時、組合は明らかにあなた個人を守ることができ、あなたの給料や諸条件を改善することができる。しかし、全ての労働者が一緒に組合に加入することによって、組合は全員をはしごの上に引き上げることができる。比較的強い立場にある労働者が交渉力の弱い労働者を支援することで、全員が公平な賃金と道理にかなった勤務条件を得ることができるようになるからだ。労働組合に加入し、他の人たちを支援することにより、職場の仲間のことを気にかけていることを示すことができる。だから、労働組合に加入することは、社会連帯行動と見ることもできる。
自分たちの組合が職場で重要な役割を果たしていると確信している組合員を多くする加盟組合の成功があってこそ、はじめてITFの活動が成り立つ。労働組合は、賃金と諸条件を改善するために集団的代表権を通じ、また個人を代表し、保護することを通じ、さらに政治的キャンペーンとロビイングと数の力と通じ、全ての関係労働者の共通の幸福のために実績を上げている。 |
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