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グローバルユニオン
No.28/2014
■訓練と経歴
 
将来の船員に投資する

近い将来の労働者不足となる見通しの中で、新たな船員の訓練を支援するために雇用者は協力していると国際海事雇用者評議会(IMEC)のアレクサンダー・ウッズは述べている。

最近の景気後退にもかかわらず、貨物のグローバルな輸送で船員が果たす重要な役割を守り、育てる必要性が差し迫っていると海運会社は認識している。

石油・鋼鉄、食料・衣料から贅沢な消耗品まで、世界のあらゆる貿易の90%が現在も海上輸送で行われている。もちろん、この産業は痛手を被っており、依然として回復には程遠いが、その一方で世界の船隊は現実に増えている。10万隻を超える船が現在150ヵ国以上に登録され、あらゆる国籍の船員150万人が配乗されているが、その約三分の一は職員だ。
さらに多くの船が就航する中、労働力調査は職員・部員両方の船員不足を予測している。有能で資格を持った献身的な船員、特に職員の不足は、この産業にとって深刻な脅威となっている。
180社を超える世界中の海運会社を代表している国際海事雇用者評議会(IMEC)は、良質かつ熟練した船員を素早く供給するニーズに取り組むため、募集・訓練委員会を2006年に設置した。同年、IMECの加盟会社がスポンサーになった20人の職員候補生が、フィリピンのアジア太平洋マリタイム・アカデミー(MAAP)で職員候補生訓練プログラムを開始した。2008年、IMECはセブ大学の海事教育センター(METC)で、50人の職員候補生を支援する活動を始めた。プログラムは一段と強化され、この二つの施設で毎年、約250人の職員候補生が訓練を開始している。
これは4年コースで、航海士または機関士になるための学卒者を訓練している。候補者は、一般教養試験と面接によって注意深く選ばれている。学校の代表職員に次いで、IMEC事務局と加盟企業代表が各候補者の商船職員になるための動機と適性を判断するために面接を行っている。

訓練と経歴
「募集段階で選考を入念にする方が割に合う」とIMECの訓練・事業責任者、アダム・ルイスは述べる。「だが、これは学業に秀でている訓練生を選ぶだけの問題ではない。船員として優れた経歴を自ら築き上げる真の素質と熱意を持つ若い男女を選考している」

基準を上げる
プログラムを開始する前に、職員候補生は数学、物理、英語に重点を置いた予備コースを受ける。このコースを通過した者のみが、就任式で正式にIMECの職員候補生になる。IMEC加盟会社が各職員候補生のスポンサーになり、三年目に職業訓練を提供し、かけがえのない実地訓練の時間を保証する。一年間、使用者は奨学金を払い込み、その資金が職員候補生の大学四年、つまり、最終学年の学資となる。
IMECは、職員候補生の最初の二年間の訓練中、国際海事訓練トラスト(IMTT)経由で資金を提供する。また、この組織は教室および教材の改善、講師と教育スタッフの継続的な専門知識の開発にも資金を提供している。
「私は船舶職員としてのキャリアを選ぶ。リーダーシップ技能を開発したいからだ。子供の時からずっと、海に出て世界中を航海することが私の夢だった。船員という仕事に私は情熱をもっている」と職員候補生のデイブ・ポリスティコは述べている。
「まだ高校生の頃、私は自分の念願を果たすため、自分に合う海事学校と奨学金プログラムを調べたことがある。今、私は将来に向け、有能な船舶職員になるための訓練を実際にうけている」
現在の海運産業の混乱にもかかわらず、IMEC加盟会社が依然として、新世代の船舶職員に投資する用意があることは明らかだ。会社は、先見の明をもち、この産業の将来の状態を予測することができる。
「私たちの目標は、十分に訓練された職員を育てることだ」とIMEC加盟会社の社員は述べている。「素晴らしい海事学校から、トップクラスの職員候補生を選んでいる。職員候補生を良質の商船職員にすることが私たちの課題であり、願いだ」
「IMECは、スポンサーとなる職員候補生の基準を設定し、候補生が書類上だけでなく、実践でも有能であることを確かめている。新人職員にとって非常に重要な海での経験により、職員候補生らは教室で学んだ理論を実践に生かす機会を与えられ、他の候補生と比べ抜きん出た存在になっている」

船舶職員になる準備
新たに資格を与えられた船舶職員は、学業を修了した正規従業員としてスポンサー会社に帰る。「船員が高い能力をもつことは、海運界が安全かつ効率的に営業するためには極めて重要だ」とアダム・ルイスは述べている。「最低基準に合致するだけでは十分とは言えない。より優れた職員候補生が必要だ」
「他の者が受けられない良質な教育と訓練を自分が受けていると確信している」と職員候補生のシリル・サブレスは述べている。
「乗船訓練を受けたことで、海上の生活についての先入観を捨てることができた。船内で基本的な日常の仕事に接したことと、職員の責任にかかわる経験をしたことで、船舶職員になる用意ができたと自信をもって会社に主張することができるようになった」
海運産業が継続的に課題を抱える今日、業界が目に見える形で拡大している兆候があることは、使用者の船員養成熱が高まっていることと相まって、世界貿易を動かす船員が自信をもち、楽観主義を抱くことにつながっている可能性がある。
IMECの強化された候補生訓練プログラムに関する詳細は次のウェブサイトを参照のこと:
www.imec.org.uk/training.

IMECについて
IMECは、船員の労使関係に熱心な唯一の国際使用者組織であり、45ヵ国の180社を超えるメンバー企業を代表している。IMEC加盟企業が運航する船舶は9,710隻を超え、あらゆる国籍の20万9千人を超える船員を雇用している、IMECは、加盟企業の運航船で働く船員の賃金や雇用条件についての国際運輸労連(ITF)との交渉で、加盟企業の見解を調整し、共同交渉グループ(JNG)を通じ、加盟企業を代表している。
IMECについての追加情報は:www.imec.org.uk.を参照のこと。
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インド人船員のための最先端のオフショア訓練

インド全国船員組合(NUSI)によって運営されているインド人船員のための受託財団とITFは、2013年11月、オフショア部門のインド人船員のために世界水準のシミュレーション訓練センターを開設した。

ムンバイのNUSIオフショア訓練専門学校(NOTI)は、オフショア海運の規律と指揮系統を学ぶ船員の能力開発を支援するために創立された。
NUSIの議長、ナンド・ヒラナンダニ船長は「NOTIの設備は、今日、オフショア部門で働くインド人船員の訓練の中で足りない部分を提供している」と述べた。
このセンターは、最先端シミュレーターを一式備えており、巨大な360度の視野を持つ専用のオフショア船橋シミュレーターや遠隔操作車両(ROV)シミュレーターも備えている。
またNOTIセンターは、舶用エンジンとオフショア・クレーン・シミュレーター、およびレーダーや操船、油田海域の航海、その他の操作技能について職員候補生を訓練するために設備された多目的教室も誇りにしている。訓練生は、ロジスティクス、引航、掘削装置の位置決定、海中架設、海上重量物巻き上げクレーン操作における学習の一環として、シミュレーターを使うことができる。
NUSIとITFの協力関係の拡大について、ナンダ・ヒラナンダニ船長は、「非営利組織として、私たちはすべての船員の将来に投資することができ、船員の職業上の成長と、昇進のための手段を提供することができている」とコメントした。
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